ダメ社員は見た目でわかる

――今日は「一流の男のマナー」座談会ということで、さまざまな業界から口うるさい女性の方たちにお越しいただきました。一流の男、三流の男について思いきり語ってください。まず身なりから。
吉川藍子さん(仮名)42歳 
外資系金融秘書

【吉川】私は外資金融で秘書歴20年ですが、とても恵まれていて、今までついた上司でイヤな人って1人もいなかったんです。最初は英国系の男爵で、次にコックニー(下町)からシティ(ロンドンの金融街)で成り上がった人についたので、比較できておもしろかった。服装は、男爵のほうが袖がすりきれそうなスーツを着ていて、下町育ちの人のほうがお金をかけてパリッとしていました。男爵はダイアナ妃が友人だったという人ですが、身なりはまったく気にしていなかった。どちらも一流の金融マンですが、外見だけでは育ちが逆に見えるかもしれません。

【福井】私は海外からのVIPも多くいらっしゃるホテルで働いています。一流のホテルマンの条件は、まず姿勢や歩き方、立ち居振る舞いですね。お客様がホテルに一歩入られた瞬間、異空間にお連れしなくてはいけない。ロビーに姿勢の悪いくたびれた人が立っていたら、お金に見合ったサービスにはなりません。見かけがよくても凛としていない人は、三流。

【瑞木】うちはITといってもわりと公的機関とか大手電機メーカーとか、堅いところが相手なので、社内の人はスーツが基本。でもエンジニアはデニム。2大不夜城といわれる部署は徹夜が多くて、不潔というより疲れた感じの人が多いです。できない上司は「バブリー」な人。髪がテカテカしてて、「バブリーなにおいのする人」と言うと、社内で誰もがああとわかるような。自慢話ばかりするくせに、学歴コンプレックスが強い。私もずいぶんいじめられたり、責任を押しつけられたりしました。

【吉川】うちは外見がダメな人はそもそも採用しません。今の上司は日本人ですが、ポマードのきつい香りとか、日本のおじさんぽいのが大嫌いなんです。趣味の悪い社員には口うるさく注意する。それも仕事のためです。日本のおじさん臭さは外国人の投資家に嫌われるから。