2013年4月2日(火)

年収300万で結婚できる男、捨てられる男

PRESIDENT 2012年5月14日号

著者
白河 桃子 しらかわ・とうこ
少子化ジャーナリスト、作家、相模女子大客員教授

白河 桃子少子化ジャーナリスト、作家、相模女子大客員教授、経産省「女性が輝く社会の在り方研究会」委員。
東京生まれ、慶応義塾大学文学部社会学専攻卒。婚活、妊活、女子など女性たちのキーワードについて発信する。山田昌弘中央大学教授とともに「婚活」を提唱。婚活ブームを起こす。女性のライフプラン、ライフスタイル、キャリア、男女共同参画、女性活用、不妊治療、ワークライフバランス、ダイバーシティなどがテーマ。「妊活バイブル」共著者、齊藤英和氏(国立成育医療研究センター少子化危機突破タスクフォース第二期座長)とともに、東大、慶応、早稲田などに「仕事、結婚、出産、学生のためのライフプランニング講座」をボランティア出張授業。講演、テレビ出演多数。学生向け無料オンライン講座「産むX働くの授業」(http://www.youtube.com/user/goninkatsu)も。著書に『女子と就活 20代からの「就・妊・婚」講座』『妊活バイブル 晩婚・少子化時代に生きる女のライフプランニング』『婚活症候群』、最新刊『「産む」と「働く」の教科書』など。

執筆記事一覧

ジャーナリスト 白河桃子=文 浮田輝雄、小原孝博=撮影
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年収300万円を切った途端、既婚率が急落するのは確かなようだ。「しょせん、女はカネか」と嘆くのは簡単である。しかし、低年収ながら意中の伴侶を得た男は、実は少なくない。女性たちは、彼らの中の何に惹かれたのか?

「赤字でもない、トントンくらい」

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年収300万は既婚/未婚の大きな境目(出典:内閣府「結婚・家族形成に関する調査(2011年3月)」)

2011年、内閣府が発表した調査によると、「年収300万円」が結婚の境目という(図)。男性の既婚率は、20代・30代では年収300万円未満が8~9%で最も低いが、300万円以上だと既婚率は約25~40%弱に跳ね上がる。ちなみに男女ともに年収が上がれば上がるほど、既婚率も上がる。

また、厚労省が行った第9回21世紀成年者縦断調査(2002~10年に同一人物を調査)では、「初職で正規の仕事をしている者のほうが、今回調査時までに結婚を経験する割合が高い」、つまり男女とも最初に非正規の仕事に就いた人より、正規の仕事に就いた人のほうが多く結婚している。

ただ、年収が低くても、非正規職でも結婚する人はしている。同じ年収300万円程度で、結婚できる男とできない男の差はどこにあるのだろうか?

兵庫県に住むタカギさんカップルを訪ねてみた。妻ミカさん(32歳、専業主婦、妊娠7カ月)と夫ケンイチさん(31歳、設計関係)は2人とも4年制大学卒。2年間同棲して昨年結婚したが、ミカさんが妊娠を機に仕事を辞め、今はケンイチさんの収入350万円のみで生活している。

JR神戸駅から電車で1時間の郊外にあるマンションは、築18年とはいえきれいにリノベートされている。家賃は3LDKで7万円。リビングの真ん中にはソファ。ガラス張りの本棚にはCD、一眼レフカメラとドラクエのフィギュアが。国産車も所有する。つい最近まで共働きだったとはいえ、思ったよりずっとモノが豊富だ。

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