花粉が体内に入ると何が起こる?

また花粉症の季節がやってきました。本来待ち遠しいはずの春を憂うつな気持ちで迎えているお父さん、お母さんも多いのではないでしょうか。

乳酸菌を摂ると花粉症の症状が出にくくなるというのは本当です。私たちの体には、ウイルスなどの異物が体内に入ったとき、速やかに体外へ排除しようとする免疫システムが備わっています。花粉症は、この免疫システムの過剰反応です。花粉は体に害がないにもかかわらず、これを異物と認識して体内で「IgE抗体」が作られ、排除しようとしてさまざまな症状を出します。この過剰反応を抑えるカギを握るのが、ヨーグルトなどに含まれる乳酸菌なのです。

そのメカニズムを理解するために、もう少し詳しく免疫の仕組みを説明しましょう。私たちの体内には、免疫システムをコントロールする司令塔の役割を果たす「ヘルパーT細胞」というリンパ球があります。これには1型(Th1)と2型(Th2)の2種類あり、どちらかが増えるともう片方が減る仕組みになっています。Th2から産出される「インターロイキン4」という化学伝達物質は、IgE抗体の産出を促すため、花粉症の人は、Th2がTh1より増殖していることがわかっています。このTh2の増殖を抑える働きがあるのが乳酸菌です。乳酸菌を多く含む食品を摂取すると、結果的にIgE抗体が減り、花粉症の症状が軽減するというわけです。 さらに、もうひとつ効果があります。花粉などのアレルゲンの多くは、口から胃腸を経由して体内に侵入しています。腸内に乳酸菌などの善玉菌が多くなると、腸内免疫の働きで花粉だけでなくダニなどのアレルゲンの体内への取り込みがブロックされる可能性が高くなるのです。

ただ、症状が出てからだと効果は低いので、スギ・ヒノキの花粉が飛び始める3カ月前ぐらいから乳酸菌を含んだ食品を毎日摂取するとよいでしょう。残念ながら、どのくらい食べたらよいかまではわかっていません。