「熟年離婚」という決断があってもいい

「第2の人生でも今の夫と一緒にいたいのか」という問いに対し、はっきり「ノー」という答えが出るのなら、無理して婚姻関係を続ける必要はないと私は思います。

離婚届と指輪と印鑑と朱肉
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世間の目が気になるという人もいるかもしれませんが、今や熟年離婚など珍しいことではありませんし、そもそも世間の目などを気にせずに生きることこそが、本当の自分の人生を生きることであり、第2の人生を充実させるコツでもあるのです。

「子どものことを考えると離婚できない」という方が時々いらっしゃるのですが、子どもが小さい頃ならまだしも、すでに自立している子どもに気を遣う必要などありません。自立してさえいれば、親が離婚したって子どもが困るようなことはないはずです。

そもそも子が自立できた時点で「子育て」という責任はもう十分に果たしているのですから、この先はとことん自分本位で構わないのです。

法律は妻の権利を保証してくれる

結婚生活を長く続けてきた人ほど、また、とりわけ専業主婦だった方は、離婚という決断を下すのに、さまざまな不安を覚えるかもしれません。

最大の不安は金銭面だと思いますが、実はそこでは法律がかなり味方になってくれます。

和田秀樹『60歳から女性はもっとやりたい放題』(扶桑社)
和田秀樹『60歳から女性はもっとやりたい放題』(扶桑社)

まず、夫婦の財産分与は基本的に半々だと決められているので、極端な話、そのすべてを夫が稼いでいた場合であっても、また、夫の稼ぎで購入した不動産なども、その半分を妻が受け取る権利が保証されています。

また、2008年から年金分割制度が始まり、婚姻中に納めた厚生年金は夫婦の共有財産として扱われ、離婚した場合には分割して受け取ることができるようになりました。つまり、妻が専業主婦だった場合でも、夫の給料から保険料が支払われてきた場合には、厚生年金の半分を受け取ることができるのです。

ただし共働きの場合も「婚姻中に納めた厚生年金は夫婦の共有財産」として扱われるので、妻のほうが高収入の場合は、自分がもらえるはずの年金が目減りするので、その点は注意が必要かもしれません。

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