友人と仲良く塾通い……やめたほうがよい理由

もうひとつの塾通いの動機である「仲良くしている家庭の子が○○塾に通い始めて、楽しそうにやっているので、それならわが家も……」もやめたほうがいい。

教室の前で仲の良い少年二人
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わたしは距離の近い家庭であるほど、逆に同じ塾に通うのはやめたほうが無難だと感じている。

なぜなら、仲の良い家庭とわが家の家庭環境が同じとは限らないからである。一方の家庭は父親が学習に付き添っていても、もう一方の家は共働きで親が子の勉強を管理はできない。こういうケースが考えられる。

中学受験塾には、四谷大塚・日能研・SAPIX・早稲田アカデミーといったような大手塾から、わたしたちのような小中規模の塾までさまざまである。わたしはそれら塾を2つに大別できると考えている。

1つは「家庭主導型」、もう1つは「囲い込み型」である。前者については、あくまでも授業の提供が塾の役割であり、その予習や復習については家庭学習に任せるといったタイプの塾。後者については、家庭と受験勉強をある程度切り離して、授業以外に子供たちが塾内で毎日自習・質問できる環境を整えているタイプの塾である(わたしの経営する塾はこちらのタイプに相当する)。

どちらのタイプの塾が良いとか悪いとかの話ではない。各家庭がどちらのタイプの塾がよいのかをよく考えてほしいのである。

加えて、中学受験指導をする集団塾では、学力別にクラス編成されているところが多い。ずっと仲良く付き合っていた家庭の子と、学力差が大きくついてしまうと、それをきっかけに関係がぎくしゃくすることもある。算数・国語・理科・社会の得点などを比較することで仲良し関係に摩擦が生じるケースが散見されるのだ。中学受験はあくまでも「個人戦」である。わが家にとってそれが「よきこと」と心から思えれば中学受験を選べばよい。