2024年から何が変わるのか

さて、NISAがどういう目的と成り立ちだったのかをここまで述べてきましたが、この制度は2024年から大きくリニューアルされます。それも大幅に使いやすくなるのです。NISAがそもそも誕生した時の理念や狙いが、従来以上に実現できる仕組みになって「新装オープン」するという感じです。では、どこが変わったのかについて、これまでの制度と比較しつつ5つのポイントで説明します。

ポイント1:制度を一本化

【2023年まで】

「一般NISA」「つみたてNISA」そして「ジュニアNISA」の3種類があり、それぞれが別の種類のものでした。特に利用者が多い「一般」と「つみたて」は両方を同時に利用することはできず、どちらか一方を選ばなければなりませんでした。

【2024年から】

ジュニアNISAは廃止され、一般NISAとつみたてNISAは一つの新NISAとして統合されます。ただし、同じNISAの中ですが、「成長投資枠」(従来の一般NISAと似たもの)と「つみたて投資枠」(つみたてNISAとほぼ同じ)という2つの枠が設けられます。利用するのは1つのNISAですから、どちらの枠も同時に使えます。従来の一般NISAとつみたてNISAを併用できるようなものです。

ポイント2:制度と非課税保有期間が恒久化

【2023年まで】

従来の3種類のNISAは、いずれも新規投資できる期間が2023年まででした。さらに非課税で利用できる期間は一般NISAが5年、つみたてNISAは20年と定められていました。一般NISAには5年間の非課税期間満了後、次の年の投資枠を使用して、非課税保有期間を延長する「ロールオーバー」が認められていました。

【2024年から】

新規投資期間も非課税で利用できる期間も定めがなくなり、無期限になりました。つまり、思い立った時に投資を始められるようになり、売却時も非課税期間を意識してマーケットを先読みしながら売り抜ける必要がなくなったのです。この恒久化によって、真の長期投資による資産形成が可能になります。