相次ぐ学部の新設や拡充、就職も良好

理系女子が増える中、今や農学系学部の新入生の男女比はほぼ1対1に。(PIXTA=写真)

最近いくつかの大学で、農学系学部を拡充・新設する動きが出ている。東洋大学は2013年入試から、生命科学部の食環境科学科を単独の学部に昇格させる。明治大学は今年4月、川崎市に設備の充実した新農場をオープン。さらに京都の龍谷大学は15年4月、日本の大学としては35年ぶりに農学部を開設予定だ。

なぜ今、農学部が人気なのか。食の安全に対する関心の高まりに加え、『理系女子』の増加もその一因ではないかとみるのは、河合塾教育情報部の近藤治部長だ。

獣医学部等を含む農学系学部は、もともと理系学部の中では女子の占める割合が高い。医歯薬系を除く理系主要3分野(理学系・工学系・農学系)の合計で、新入生の女子率が10%足らずだった1990年ごろでも、農学系学部だけを見れば学生の約4分の1は女子だった。

そして、2011年の文部科学省の学校基本調査では、上記3分野への新入生の女子率は約19%にアップ。農学系学部では約44%と、ほぼ男女同数に近づいた。少子化で受験生全体が減少傾向にある中、大学側にとっては有望な拡大市場なのかもしれない。

学ぶ内容の範囲が幅広いのも農学系学部の特徴だ。文字通りの農学からバイオテクノロジー、食品衛生、水産、農業土木学や農業経済学まで。卒業後の就職先も、食品メーカーや化学系メーカー、官公庁や環境コンサルタント会社、流通関係など、ほぼメーカー一色の工学部に比べバリエーション豊かだ。

「かなりの学生が学部卒で就職できているところも、他の理系学部にはない特徴でしょう」と近藤氏は指摘する。農学部人気は今後も当分続きそうだ。