メンタルクリニックに行くべきやつだ

そんな、7月も終わりの週。学生時代の友達と子連れで集まりました。気分転換になるぞ、と向かったのですが、1年ぶりに会ったみんなと話していて、違和感を感じました。

「私、すごい元気ない」

みんなと話していて楽しいのに、面白くて笑っているのに、それが腹の底辺からしっかり出ていないっていう感じです。100で面白いと思って笑ってるのに、それが体の外には60くらいしか出てこない。うつの症状でよく聞く「もやがかかっている」感じ。

これはメンタルクリニックに行っていいやつ、行くべきやつじゃん、と気づき、その集まりの夜に近所のメンタルクリニックを調べ、1週間以内に診てくれるところを探してWEB予約しました。

「いろいろやりすぎだから休んで」

新1年生の保護者は入学ストレスでキャパオーバーになりがちだから、クリニックを予約しておいて! という注意喚起のコラムを自分で書いておきながら、私も今年、下の子が新1年生だというのに、「まあ小学生の保護者はもうやってるから」とタカをくくっていました。

そんなこんなで、WEB予約してから3日後に行った、初めてのクリニック。60代くらいの医師から生活内容を尋ねられ、答えると「いろいろやりすぎだから休んで」と言われました。うつの検査をすると「うつ病ではないけどあとちょっとでうつ病」と診断され、不安を抑えてよく眠れるけど依存性の低い薬を処方されました。

私は、「忙しい、やることが多すぎる」と思いながらも、胸がつまってため息が出るのは自律神経が乱れてるのかな~、とか思って、昔行って効果を感じたホットヨガに最近、再入会したのです。酷暑の日にホットヨガに行って、滝のような汗をかき、帰宅すると頭痛がしてきたので、試しに経口補水液を飲んでみたら復活しました。脱水症状でした。

休みましょう! ダラダラしましょう!

休まなければいけない時に、わざわざ脱水症状になりに行く。新しい立場になって、やることや考えることが急増した人は「止まれない」という状況に陥りがち。だから「調子をよくしたい」と思うときも、止まらずに逆に激しく動く、みたいな選択をしてしまう。それは私だけではないのではないでしょうか! たぶん!

お医者さんにもらった薬を2回飲んでしっかり寝たら、もう次の日には胸の鉄球がなくなり、特大ため息がぜんぜん出なくなりました! すごい。

ちょっと調子悪いな~、メンタルクリニック行くほどでもないよな~、っていう人もぜひ行ってください。小っちゃい薬飲むだけでこんなにラクになるとは……!

みなさん、のんびりすごしましょう! 休みましょう! ダラダラしましょう!

田房 永子(たぶさ・えいこ)
漫画家

1978年東京都生まれ。2001年第3回アックスマンガ新人賞佳作受賞(青林工藝舎)。母からの過干渉に悩み、その確執と葛藤を描いたコミックエッセイ『母がしんどい』(KADOKAWA/中経出版)を2012年に刊行、ベストセラーとなる。ほかの主な著書に『キレる私をやめたい』(竹書房)、『お母さんみたいな母親にはなりたくないのに』(河出書房新社)、『しんどい母から逃げる!!』(小学館)などがある。