絶対に転職してはいけないブラック企業を見極めるにはどうすればよいのでしょうか。10回転職したキャリアコンサルタントの森田昇さんは「ブラック企業の代表的な特徴を10個、並べます。求人票や口コミサイトでもチェックしてみてください。もし1つでも当てはまるのなら警戒しましょう」と言います――。

※本稿は、森田昇『年収300万円から脱出する「転職の技法」』(日本能率協会マネジメントセンター)の一部を再編集したものです。

残業時間100H超なのに残業代0円

会社選びの判断軸が定まっていない状態で転職先を探してしまうと、ブラック企業を引き当ててしまう可能性が高まります。

この見極め方をぜひ、今まさにブラック企業にいる人が、年収300万円で酷使されている状況から脱出するための知恵袋として使っていただけると嬉しいです。私も新卒入社の会社が月の残業時間100H超なのに残業代0円、年収300万円というブラック企業だったので(1社目)、当時知っておきたかったことを漏れなく書きますね。

疲れ切った会社員
写真=iStock.com/YinYang
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ブラックになりやすい業界は業界の構造が悪い

厚生労働省は「ブラック企業」について明確に定義していませんが、一般的な特徴として、①労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す、②賃金不払残業やパワーハラスメントが横行する等、企業全体のコンプライアンス意識が低い、③このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う、と言われています。もちろん、「それぞれの会社による」という前提はありますが、ブラック企業になりやすい業界というものは存在します。

これは業界の構造的に儲けることが難しいため、社員や組織へ投資することができずに待遇が悪化している業界のことです。「業界の構造が悪い」としか言いようがないので、技術革新でどうにか改善されることを願っています。そうでないと、こういった業界が選ばれなくなりますから。

そんな構造とは、以下のとおりです。

・価格競争が激しい
・利益率が低い
・労働集約型
・個人相手の事業
・衰退している
・その結果、もうブラック業界だと知れわたってしまった業界

価格競争=コスト競争でもあるので、コストダウンは間違いなく人件費がターゲットにされます。熾烈なコスト競争は社員の待遇悪化を引き起こします。これは利益率の低さも同様で、どちらも儲からないため長時間サービス残業が横行しやすく、なのに年収300万円以下、という業界がざらです。代表的な業界は、商品として差別化できない生活必需品を多く取り扱っている小売業(スーパー・コンビニ・デパート等)です。

労働集約型といった、人間の労働力をあてにしてビジネスを回している業界も待遇が悪くなります。人間の力を前提としたビジネスモデルなので、人間が頑張らないと回らず、どうしても労働環境が悪化しやすくなります。現場の人間の力で成り立っている飲食業や運送業(トラック等での配送)に加え、IT業界もまた、「IT土方」と揶揄されるように人力と力技に頼っている側面もあるので、労働集約型に当てはまります。非対面・非接触での遠隔操作や自動運転、AIでの超高速プログラム開発やノーコードツールの早期普及が待たれます。