結婚した夫婦では男女学歴逆転ケースが少なくない

以上は、独身者調査から出したものなのですが、これに対応するような既婚夫婦調査のデータもあります。それは、「結婚できた人たちは、昭和型の価値観がかなり排除されている」というものです。ピッタリとは言えないのですが、それなりに説得力を持つものです。

まず、結婚した夫婦たちの学歴状況を、出生動向基本調査から探ってみました。

【図表10】結婚年次別にみた夫婦の最終学歴
※出生動向基本調査を基に筆者作成

これは、2015年の調査を基に、結婚した年代ごとに、夫婦間の学歴差異を調べたものです。これは2015年時点で結婚している人たちなので、離婚・死別した人は含まれておりません。帳票上、高校・大学とも女子校・共学と分かれていますが、これらはひとくくりにしました。また、「専門」「短大・高専」というくくりなので、この3種別は同等としています。

その結果、出来上がったのが図表10です。

まず、今から20年以上も前の1995年を見ても、すでに「妻の方が学歴が上」というカップルが17%もいます。元々結婚できた人たちは、昭和型価値観がかなり薄かったといえそうです。

そして、この数字は伸び続け、2010~14年の時点でもすでに4カップルに1組は妻が上となっているのです。これは、夫の方が上の30.7%に肉薄している状況です。

姉さん女房は年々増えている

もう一つ、夫婦の年齢関係も見てみましょう。こちらは「人口動態調査特殊報告」から作成しました。

【図表11】夫婦の年齢構成
※「人口動態調査特殊報告」を基に筆者作成

昭和的価値観であれば、えてして「夫は年上、妻は年下」となりそうですね。

ところが、昭和の真っただ中にある1985年から姉さま女房カップルは12.5%いました。それが、年を追うごとに増えていき、2015年時点でもう約4組に一組(23.7%)にまでなっています。

そう、やはり、既婚者には「昭和の常識」を捨てて実を取る人の割合が多いと言えそうです。

他にも、結婚している人たちを見ると、「妻が正社員で夫が非正規」というカップルの割合が高くなっていたりもします。