医学部人気が高まり続けている。医学部・歯学部専門予備校のメルリックス学院のデータによると、2012年の国公立大学医学部の志願者数は3万4586人(前期・後期合計)で、前年より約5.6%増。私立大医学部も一般入試、推薦、AOを含む総志願者数が8万2624人と、前年比で約3.5%増えた。私立大医学部の志望者は4年で1万人以上も増え、10年前の1.5倍の水準に達している。

歯学部や法科大学院を目指していた層も医学部に?(写真はイメージです/PIXTA=写真)

受験生の全体数が減少傾向にある中、なぜ医学部志望者だけが増え続けているのか。まず、医師不足解消のための医学部定員増が、受験生の間に浸透したこと。08年度からの4年間で、医学部全体の入学定員は約1300人も増加。これを見た成績上位層が、「自分にもチャンスはあるかも」と医学部を目指す傾向が強まったと、メルリックス学院の田尻友久学院長は言う。

もう1つの要因は、私大医学部の学費値下げ競争。08年の順天堂大学医学部の大幅値下げを皮切りに、優秀な学生を集めるための値下げ競争が激化。13年度入試からも東邦大学医学部は6年間で約600万円、昭和大学医学部も400万~450万円も学費が安くなる。6年間の学費総額が2000万円前後にとどまる例が増え、受験層が広がった可能性が高い。

これまで歯学部や法科大学院を目指していた層が、より「食える資格」として医学部を目指す傾向もある。さらに、最近の若い世代の間の社会貢献意識の高まりも大きな要因だと、田尻氏は指摘する。「これほどきれいな右肩上がりのグラフは、最近ではなかなか見られません。当分この傾向は続くでしょう」(田尻氏)