まず自分が健全な状態で始める

ただ今の日本では、子どもの声がうるさいからと保育園の建設に反対運動が起きたり、公園が廃止されたりといったことが起きていると聞きます。子どもの声がうるさいのは当たり前。子どもの声を聞いたらイライラするというのは、もうスタート地点で不健全なのです。精神に余裕がなくて、そこからいろいろ考えても、いいアイデアも出ないし、いい結果にもならない。不健全なところに不健全なものを積み重ねていくだけです。

では、どうすればいいかというと、結局は個人が一歩ずつやり始めるしかないと思います。日々の生活の中で、困っている人がいたら手を差し伸べる、子どもがいたらやさしくする。私も東京に帰ったら、工事現場の人にも「おはようございます」って挨拶をするんです。そうすると、あちらも挨拶を返してくれて、すごくいい感じ。

虹
写真提供=筆者

とりあえず挨拶だけでもし始めたら、次は挨拶だけでなく、困っているんですか、やってあげましょうかと少しずつ大きくなって、あなたの子どもを預かってあげるよって、なっていくかもしれない。そうやって地域のコミュニティーはできていきますから、まずは自分がやるしかないのです。

自分にうそをつかない

自分が健全な状態でいるには、何をおいても自分にうそをつかないことです。たとえばコーヒーと紅茶があって、本当はコーヒーが好きじゃないのに、みんながコーヒーを頼むから私もコーヒーって。ちっぽけなうそですが、それを積み重ねていくと、結婚や引っ越しなど、大きな決断のときに正直になれないんです。どうしたらいいのかわからなくなる。ですから小さなことから正直に生きていくことは大切なのです。

うそをつかない、正直に生きていこうというと、今度はわがままになるのではないか、秩序がなくなるのではないかと心配する人がいます。でも感性が健全に働いていれば、ちゃんとバランスは取れるはず。群れて暮らす動物たちに自然と秩序ができているように、人間も健全であれば、自然に秩序のある暮らしができると思います。