絶対「変動金利型」を選んではいけない人

逆に、まとまった貯蓄がない人や、「変動金利型」でなければ希望の額を借りられない人には、正直に言えばお勧めできない。特に、収入合算やボーナス返済まで組み込んだ「変動金利型」のプランは、貯蓄や家計にゆとりがない家庭には爆弾でしかない。

本記事上の試算は、「変動金利型」の1.25倍ルールを説明するために、あえて“5年で2%の金利アップ”という少々激しい設定で行った。たとえ、わずかな金利上昇で済んだ場合でも、以後の毎月返済額に影響し、利息負担を増やし、ローン残債に影響する「変動金利型」のしくみの理解に役立てば幸いである。

竹下 さくら(たけした・さくら)
なごみFP事務所・ファイナンシャルプランナー

兵庫県生まれ。慶應義塾大学卒業後、保険会社勤務を経て、FPとして独立。著書に『「家を買おうかな」と思ったときにまず読む本』(日本経済新聞出版社)などがある。