アメリカと日本のGDP成長率には大きな差がついてしまっており、アメリカがこの30年で大きくGDPを伸ばしたのに対し、日本は横ばいです。

GDP全体のパイが大きくなれば、一人当たりのパイも大きくなる。当たり前の話です。そのこと自体はマクロの数字を見ればわかることですが、その意味を肌で感じたのがこのホテルの料金だったのです。

世界で日本語を見かけなくなっている

もう一つ、日本の地盤沈下を強く感じたことがあります。それは、世界で日本語を見かける機会が大幅に減っていることです。

アメリカ滞在中、たまには観光もしようと、「水陸両用車ツアー」というものに参加しました。軍隊でも使っていたという水陸両用車に乗って、チャールズ川のクルーズを楽しむというもので、外国人観光客も多く参加していました。しかし、10カ国語で案内がある中、日本語の案内はなかったのです。

ただし、これは数年前から世界各地で見られていたことでもあります。

例えばかつてのオーストラリアには、「ここは日本だろうか」というくらい日本語の案内が街に溢れていましたが、最近ではめっきり見かけなくなりました。代わりに目立つようになっているのが中国人観光客であり、街にも中国語が溢れていました。

日本人のメッカであるハワイでも中国人の存在感は日に日に大きくなっており、数年前にハワイでヘリコプターツアーに参加した際もお客さんのほとんどが中国人で、日本語の案内は何もありませんでした。

ちなみに水陸両用車ですが、川の真ん中に出たあとは小さな子供たちに運転させていました。運転手は助手席に移り、ハンドルからは完璧に手を離したままです。日本では遊園地ならばともかく、他の乗客が乗った水陸両用車を小さな子供に運転させるなどもっての他でしょう。これも、アメリカならでは、と思いました。

アメリカ人が年金を「信頼している」理由

アメリカ人と話していて、日本人ともっとも大きな違いを感じたのが「将来への不安」です。昨今の日本では、あらゆるメディアが「老後不安」を掻き立てています。

いわく「年金だけでは食べていけない」「70歳以上になっても働かなくてはならない」など。そうした報道はアメリカではほとんど見ませんし、実際に話していても、多くの人が自分の老後に対して非常に楽観的だと感じます。