残業代の前に時間外労働を減らさなければ

――その給特法の抜本改正について、柴山議員は以前、シンポジウムなどで「給特法は“伝家の宝刀”」と語っていましたが、その意味は?

【柴山】伝家の宝刀という言葉そのものの意味は「いざという時にこそ抜かれる切れ味鋭い刀」ということですが、私の発言は、給特法自体が伝家の宝刀だと言っていると誤解されたようです。そうではなく、私が言いたかったのは、給特法の「抜本的改正」が伝家の宝刀なのだということ。その意味では、「いざという時」がまさにいま来ているとも思います。

――今年4月には「給特法のこれからを考える有志の会」(教員や弁護士、教育問題に詳しい大学教授らで組織)が、抜本的な改正を求めてネット署名活動をはじめました。すでに6万3000筆以上が集まっています。

【柴山】そうした動きは承知しています。ただ一方で、仮に公立教員の現状での時間外労働に残業代を全額支払うとなると、年間9600億円の予算が必要になるという試算もある。もちろん、予算がないから改正はできないというのではなく、やはり、まずそもそもの時間外労働をどうやったら減らせるのか、先生が人間らしい働き方をできるようにするにはどうすればよいのか、という観点での改革を考えるほうが先と思うのです。

教科別の専任教師や外部講師も検討すべき

――そのためにはどうすれば?

【柴山】例えば、先生でなくてもできる仕事、あるいはムダな雑務を減らす。最近ではICTを活用した業務の効率化も図れるようになっています。その際、教員業務支援員というような、ICT専門の職員を増やすことで先生の負担を減らす。

また、1クラスの児童生徒数を35人程度に少なくすることで先生の負担を軽減できる。これは児童生徒にとっても、きめ細かい教育を受けられるようになる。

教室
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さらには、高学年における教科別の専任制。数学や美術など専門性が高まる教科については専門の先生をつければ、クラス担任の負担も軽減するでしょう。加えて、最近は子どもたちが学習しなければならない要素がかなり高度化していて、例えば必須となっているコンピューター関連授業など、やはりプログラミングの専門家などへの外部委託も検討すべき。