石原慎太郎都知事を党首とする“石原新党”構想の迷走が続いている。

当初、石原氏や国民新党の亀井静香前代表らは3月中の旗揚げを計画。ところが石原氏は、4月12日に突如「1回仕切り直しする。白紙に戻す」と宣言した。

石原氏は、新党結成時期について、「解散・総選挙の直前がベター」(国民新党関係者)と考えていると言い、いったんは3月中の旗揚げに傾いた。消費税率引き上げ関連法案の国会提出を巡り、「3、4月にも総選挙が行われる可能性がある」と考えたからだった。

ところが、関連法案提出時の政変は起こらずじまい。「石原氏の長男の伸晃・自民党幹事長からも“3、4月中の新党結成はやめたほうがいい”とのアドバイスがあり、5月旗揚げを目指すことになった」(国民新党関係者)。

ところが、所属議員全員が参加する予定だった国民新党が分裂、計算が狂った。

石原新党には当初、石原・亀井両氏のほか、「たちあがれ日本」の平沼赳夫代表や園田博之幹事長、亀井氏以外の国民新党所属議員、一部の民主党議員らを加えた30人程度が参加するとみられていたが、国民新党の分裂により、亀井氏を中核メンバーとする石原新党への国民新党議員の参加が見送られたため、人数が20人以下に減少してしまったのだ。

「これに石原氏が危機感を募らせ、1回、仕切り直す必要があると言い出した。足場を失った亀井氏は、自民・民主議員の受け皿づくりのためにも新党を早く立ち上げたいと考えているが、これには平沼氏らが反対している。亀井氏が石原氏の了承を得ずに、勝手に構想をマスコミにベラベラ話すことへの反発も石原氏にはあった」(前出・国民新党関係者)

石原氏は、橋下徹大阪市長率いる「大阪維新の会」との連携を模索しているが、ここでも亀井氏が障壁になっている。

「国民新党一つまとめられないのに、亀井氏は主導権を握ろうとあれこれ口を出してくる。古い政治家というイメージも強い。そんな亀井氏を中核メンバーとする新党と組むことに維新の会が難色を示している」(全国紙政治部デスク)

消費税率引き上げ関連法案成立のメドはまったく立たず、「野田首相は今国会を12月末まで大幅延長、解散・総選挙は来年1月、もしくは7月の衆参ダブル」(民主党議員)との声も。石原新党結成は来年3月以降になる可能性もある。