わが子が勉強に集中できるようにするにはどうすればいいのか。中学受験専門塾・伸学会代表の菊池洋匡さんは「誘惑に負けない最も効果的な戦略は、『戦わずして勝つ』ことだ。親は環境作りや対処法など、誘惑と上手に付き合う方法を子供に教えてあげるといい」という――。

※本稿は、菊池洋匡『小学生の勉強は習慣が9割』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。

カレンダーに小さな一歩が大きな変化を生むと書き込み
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どんな習慣も「初めの一歩」は単発の行動から

さぁ、目的も目標も決まりました。目標達成に向けて、初めの一歩を踏み出しましょう。どんな習慣も、一回一回の行動を積み重ねてできています。この章では、その一回の行動を実行しやすくして、習慣に至るまで続けられるようにする秘訣をお伝えします。

受験に合格するため、成績を上げるためには、勉強すればよいことは誰でもわかっています。しかし、それをなかなか実行できないのが現実ですよね。どうすれば目標に向けて行動できるようになるのでしょうか。

そのための秘訣その①が、スモールゴール(小さなゴール)を設定し、行動のハードルを下げることです。

人のやる気は「目標に対して感じる価値」と「目標達成の見込み」のかけ算で決まるとする考え方があります。米国の心理学者であるジョン・ウィリアム・アトキンソンによれば、これは期待・価値理論と呼ばれます。

目標に対してすばらしい価値を感じ、やりがいがあると思っていても、「自分には無理そうだ……」と思っていたら、やる気はわいてこないのですね。

「憧れの志望校があって、合格したいと強く願っているのに、勉強に対してやる気が出ない」という子がいますが、そうなってしまう要因の一つです。あなたのお子さんも、「目標があるのに頑張れない」といった状況だったりしませんか?