福利厚生を充実させ優秀な人材を確保
まずは、読者に質問。以下の3タイプの人材を、管理職としてふさわしい順に並べるとどうなるだろうか。
B 人格が悪くて、実績のある人
C 人格がよくて、実績のない人
私の答えは後ほどお伝えするが、この順番をどう考えるかに、サイバーエージェントの企業カルチャーが色濃く反映していると言ってもいい。
私がインターネットサービスを主な事業とするサイバーエージェントを立ち上げたのは、1998年のことである。現在はアメーバピグを中心としたAmeba事業が好調で収益の柱に成長しており、お陰様で「2011年 働きがいのある会社」の第6位にもランクインしている(グレート プレース トゥー ワーク調べ。前年は第7位)。
しかし、サイバーエージェントの歩みは決して平坦ではなかった。00年に東証マザーズに上場した直後にネットバブルが崩壊。先行投資がかさみ04年までは赤字の連続。業績の悪化に連れて社内の人間関係も悪化し、離職率が異様に高い状態が続いた。
このままではまずい。会社を根本的に変えなければ……。危機に際して私が参考にしたのは、日本的経営だった。即戦力を必要とするベンチャー企業は中途採用に頼りがちだが、日本の場合、優秀な人材のほとんどが新卒で就職を決めてしまう。一方で、中途の人材マーケットはそもそも母数が少なく、優秀な人材を獲得しようと思うとコストが高くついてしまう。結局のところ、新卒で優秀な学生を一括採用し、社内でじっくり育て上げていく日本的人材育成のほうが効率的なのだ。
時間をかけて新卒を教育するには、離職率を下げる必要があった。家賃補助やリフレッシュ休暇などの福利厚生を充実させたり、懇親会や部活動で社内活性化を図るなど、日本的経営に範をとった施策を重ねた結果、離職率は目に見えて減っていった。ネットバブル崩壊当時30%だった離職率が、現在では10%未満にまで減少している。
しかし、年功序列制度だけは採用しなかった。同期入社の中で賃金に格差をつけるのは、日本の名門企業でもいまや当たり前のことになっているが、弊社の同期内格差の大きさを知ったら仰天することだろう。弊社は日本的経営を参考にしてはいるが、あくまでも厳しい成果主義を貫いているのだ。


















