2011年11月16日(水)

鉄道営業法 -「女性専用車両」男が乗っても法的にはOK

PRESIDENT 2011年10月31日号

著者
村上 敬 むらかみ・けい
ジャーナリスト

1971年、大阪府生まれ。東京外国語大学外国語学部(マレーシア語科)卒。ビジネス誌・エンタープライズIT誌を中心に、自己啓発から経営論まで、幅広い分野で活躍中。

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慌てて電車に飛び乗ったら、まわりは女性ばかり。よく見ると女性専用車両だった、という冷や汗体験はないだろうか。

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痴漢対策として女性専用車両が本格導入されるようになったのは、2001年3月の京王電鉄から。その後は首都圏・関西を中心に導入が進み、10年末現在、全国31事業者、81路線で導入されている。いまやすっかり定着した感があるが、乗り慣れていない男性が間違って乗ってしまうケースもある。やましい気持ちで乗車したわけではないのに、女性たちから冷たい視線を浴びせられるのは辛いものがある。

そもそも男性が女性専用車両に乗ることは、法に触れるのか。鉄道営業法34条では「制止を肯せすして左の所為を為したる者は十円以下の科料に処す」と定め、該当する行為として「婦人の為に設けたる待合室及車室等に男子妄に立入りたるとき」(同2号)をあげている。明治33年公布の法律なので言葉づかいや10円以下という過料の額に時代を感じるが、素直に解釈すれば、男性が理由もなく女性専用車両に乗るのは違法だと読める。

実際はどうなのだろうか。国土交通省に問いあわせたところ、次のように教えてくれた。

「現行の女性専用車両に、鉄道営業法34条2号の適用は想定していません。女性専用車両は、鉄道事業者が輸送サービスの一環として実施しているもの。法的な強制力はありませんが、利用者のご理解とご協力のもとで成り立っています」

微妙な言い回しだが、要は男性が乗っても法的にはお咎めなし。高齢者や妊婦、身体障害者のための優先座席と同じく、あくまでもマナーや道徳の問題としてとらえればいいようだ。なぜこのような法解釈が可能なのだろうか。刑事事件に詳しい長谷川裕雅弁護士は次のように解説する。

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