「箱タイプ」をやめて「パウチパック」を追加

2017年には「ガルボ ミニ」を「ガルボ」として、ブランドリニューアルを敢行した。

この時点で、ガルボはコンビニを中心に販売するポケットパックとスーパーを中心に販売する箱タイプの2種類のパッケージで展開していた。だが、箱タイプの売れ行きが好ましくなかったことから販売を終了。ポケットパックとパウチタイプの2種類へと切り替えた。その理由を東さんはこう振り返る。

「ライフスタイルやオフィスでの過ごし方の変化により、今度は仕事の合間に『小腹満たし』をするためにお菓子を食べるシーンが出てきました。そこで、好きな時に好きな量だけ食べて保存ができるパウチ包装を検討したのです。そのような食べ方とガルボは相性がいいと考えたからです。お客様を主軸に据えて商品開発していくのは、今も昔も変わりません」

ようやく実現した「ホワイトチョコレート」の含浸

現在ガルボは「ガルボ チョコ」「ガルボ つぶ練り苺」「ガルボ ほろにがブラック」「ガルボ 香りとコクのホワイト」の4種類が定番のラインアップで、シーズナルの限定商品は年に3~4品出している。

これまで発売したフレーバーの中で、何が一番ヒットしたのだろうか。東さんは、「2016年に発売した、ホワイトチョコを含浸させた『コク旨キャラメル』が非常に好評でした」と答える。

「これまでのガルボはミルクチョコレートを含浸させていましたが、『コク旨キャラメル』はホワイトチョコレートを染み込ませた焼き菓子をキャラメルチョコでコーティングしています。市場へ出したところ、『今までにない斬新な味を楽しめる』という評判が立ち、人気を呼びました。現在はシーズナル商品として販売していますが、レギュラー商品でも、ホワイトチョコレートを含浸させた商品として『ガルボ 香りとコクのホワイト』があります」

左「ガルボ コク旨キャラメル」、右「ガルボ 香りとコクのホワイト」
画像提供=明治
左「ガルボ コク旨キャラメル」、右「ガルボ 香りとコクのホワイト」

ミルクチョコレートもホワイトチョコレートも、チョコレートだから染み込ませる製法は同じではないかと思うかもしれない。しかし、実際には「ホワイトチョコレートを含浸させて商品化するまでに何度も試行錯誤を繰り返した」と宮崎氏は語る。

「ホワイトチョコレートはミルクチョコレートと同じように含浸させることはできません。カカオ由来の油分が中心であるミルクチョコレートに比べ、ホワイトチョコレートは牛乳由来の油分が多いため、染み込ませ方が異なります。この技術開発に多くの時間を費やしたのです。2016年に開発できたことで、『コク旨キャラメル』の発売にこぎつけられました」