月間・週間の計画をきっちり立てて、効率よくテキパキと仕事をこなしていきたい……。

たいていのビジネスパーソンは、そう願いつつも、日々のノルマや割り込み仕事に追われるうち、いつの間にか綱渡りのような時間管理を強いられてしまうものである。そして、集中力が散漫になり、仕事の効率がどんどん落ちる……という悪循環に陥っている人も多い。

しかし、世の中には他人の何倍も多忙でありながら、効率よく仕事を進める人たちがいる。彼ら“達人”たちの計画の立て方、仕事への着手の仕方、あるいは集中力の持続法、会議法などは、われわれとどこがどう違うのだろうか?

まことにシンプルな疑問を携えて、われわれは総計18人の達人を訪ね、教えを請うた。その結果、目からウロコが落ちるような「そもそも論」のほか、すぐに実践可能な数多くのノウハウを引き出すことができたのである。

達人たちの話を聞くうちにわかってきたのは「ちょっとした工夫をこらすことで、仕事はずっとスムーズに進めることができる」ということだ。

パート1では仕事に優先順位をつけ、スタートダッシュを切るためのコツを、パート2では中だるみを解消し、集中力を持続するためのコツを、パート3では、仕事を効率化するためのムダ取りのコツをご紹介しよう。「時間活用 30の秘訣」を読めば、明日から仕事の効率が大幅にアップすること間違いなしである。

月曜日の朝一番には、その週1週間の計画を立てる。ビジネスパーソンは誰しもそう考えているはずだが、現実には諸事にまぎれて計画どころではなくなってしまうことも少なくない。達人はそこをどう克服しているのだろうか。

最初に耳の痛い話をしてくれたのは、早稲田大学大学院教授の川本裕子さんだ。

「月曜日の朝一番に何をするかと考える前に、まずは1週間とか1カ月、1年先などの仕事の“鳥瞰図”をつくることです。どれだけ先が見えるかで、その人の力量がわかります。伸びる人は、自分なりのしっかりした鳥瞰図を持っているものですよ」