「3密を気にする」は20代で36.6%

実際のところ、若者の意識はどうだったのか。サイバーエージェント次世代生活研究所が、コロナ前から意識が変わったことについてアンケート調査したところ、「外出を控える」の回答率は全体で44.3%だった。年代別に見ると、20代は39.7%、15~19歳は45.2%で、20代は他の年代と比べて外出を控える意識が低かった。

Q.新型コロナウイルス感染拡大による自粛期間中、【衛星・医療】について自粛期間前から意識が変わったことをすべてお選びください。

同様に、「人混みを避ける・人が多いところには行かない」は全体で44.3%、20代で33.9%、15~19歳で35.0%だった。「3密を気にする」は全体で49.0%、20代で36.6%、15~19歳で40.5%。ストレートに比べると、若者は意識が低く、とくに20代にその傾向が顕著だ。しかし、松野氏の見方は厳しくない。

「男女別で見ると、若年男性の意識が低くて全体の数値を押し下げているものの、女性は意識的だとわかります。また、若年男性も意識の高さは人によって違います。ひとまとめにして戦犯扱いするのは乱暴。若年層にも人様の迷惑にならないように遊ぼうと考える人がいて、新しい遊びを生み出していると言えます」

GPSの「宝探し」は運動不足解消にもなる

流行している0密遊びは、シャボン玉だけではない。コロナ以降よく見かけた遊びを他にも紹介してもらう。

「女の子のあいだでは“手形アート”が流行りました。手や足に絵具を塗って紙やトートバックに手形・足形をつけて、自分たちだけの思い出の品を作るのです。もともと室内だとスペースが狭くてやりにくいのですが、3密回避を意識して公園や海辺など屋外の開けた場所で作る子たちが多かったですね。本人たちが意識していたかどうかはわかりませんが、最後に手についた絵具を水で洗って落とすため、そこもコロナ対策にもつながっていました」

開けた場所で手形・足形をつける「手形アート」
写真=筆者提供
開けた場所で手形・足形をつける「手形アート」

コロナで人気が再燃した遊びもある。「ジオキャッシング」だ。

「世界規模の宝探しゲームで、無料アプリを起動して、誰かが隠したお宝を、GPS信号を頼りに見つけ出します。お宝はお金など高価なものではなく、仕掛けた人の私物が入っています。見つけた人は宝をもらうかわりに自分の私物を入れます。また、お宝には紙が入っていて、見つけた人が名前を書けるようになっています。そこに名前を書いてSNSにアップして、プレーヤー同士で楽しみます」
「2000年代からあったゲームですが、コロナ後にまた人気が高まっています。一人で探すプレーヤーもいますが、友達と一緒に宝探しの旅に出かけるのもおもしろい。歩き回らなくてはいけないので、自粛中の運動不足解消にもなって一石二鳥です」