国民の恐怖に応えつづけると「医療自壊」する

現在見つかっていない地方都市でも毎日1万人ほどPCRやり続ければ、たぶん多数の陽性者や重症者を捕捉することができるでしょう。少数の人を村八分にするところではない数になるはずです。そして夏の今ではなくカゼの仲間として冬に増えるでしょう。

現状は、何もないところに新たに連鎖反応が起きるクラスターのイメージとは程遠いものです。冬の流行初期とは違う状況です。国土に普遍的に存在する常在ウイルス化しつつあることを認めましょう。この県にも発見された、というのは既に存在したものが判明しただけなので報道の価値はあまりありません。

国は検査拡大だけでなく目的や陽性と判断した際の指針を明示しておくとよいと思います。国民の恐怖に応えつづけると病院に元気な人が「大量入院」し、トコロテンのように後がつかえるので元気なままPCR陰性を待つことなく「大量退院」していかざるを得なくなります。

医療者は無為な作業に疲弊し、コロナ以外のもっとずっと多い他の疾患の患者さんも不利益を被り亡くなってしまうかもしれません。そんな日本独自の医療崩壊は避けなくてはなりません。特に郊外ではそうです。

そもそも、そんな元気な人々が病院を経由する必要があるのかどうか。コロナウイルスに神経質になりすぎたことによる医療崩壊は自滅自壊でしかありません。1日に多数がまだ発生している国も多く(※14)、少ない医療リソースを厳密に使って何とか乗り切っています。重症者が多発することによる他国の医療崩壊と日本の「医療自壊」は程遠いものです。

目的とプラン無き検査拡大は、不安感を増すだけで有害性の方が多くなります。