要介護と要支援では雲泥の差。
納得の認定ゲット法

介護保険のサービスを利用するには、認定手続きが必要なことはご存じだろう。「自立」以外の要支援1・2か要介護1~5までの7段階、いずれかの結果が届けば、晴れてサービス利用ができる。だが、ここで安心するのはまだ早い。落とし穴が待っているのだ。

例えば要支援の場合は、1でも2でもあくまで「介護予防サービス」となり、特別養護老人ホーム(特養)や老人保健施設(老健)、介護療養型医療施設(老人病院)には入りたくても入れない。さらに、電動ベッドや車いすなどは原則借りられず、訪問介護や通所介護の利用時間や回数が制限され、家事援助も制約される。要支援か要介護になるかで雲泥の差、天下分け目の関ヶ原なのだ。

この明暗を握るのが2次判定の認定審査会。コンピュータによる1次判定が要介護1相当の場合、ここで3~5人の委員が、医師の意見書や調査書の特記事項を参考に、要介護と要支援の振り分け作業を合議制で行う。その根拠となるのが、「認知症」と「状態の安定性」という観点だ。要介護の人が、誤って要支援にされないための自衛ポイントはどこにあるのだろうか。

・判定の鍵を握る認知症やうつ、状態の安定性、家庭環境までしっかり意見書に書いてくれる医師を選ぶこと。

・訪問調査では次の(1)~(4)を意識的に訴え、調査書の特記事項に書き込んでもらう。

(1) 介護で困る点は、例えば「病院まで5分だが、本人が歩くと40分以上」など、具体的に。
  (2) 認知症があれば、「自分からはよくしゃべるが、こちらの意図は伝わらない」など、症状を細かく伝える。
  (3) がんになったときや医療管理が必要なときは、介助頻度や治療の副作用、生活への痛みの影響などを詳細に伝える。
  (4) 一人暮らしの場合は、家族が事前に冷蔵庫内や薬の管理、お金の使い方、排泄や臭いなどを観察し、状態を把握して必ず調査に立ち会い、補足する。

ただこうして万全を尽くしても、資料だけでは読み切れない限界性や審査会にも偏りがある。そこで認定結果に納得がいかなければ、市区町村の介護保険担当へ遠慮しないで、「なぜ、そうなったのか?」聞いてみることだ。市区町村には説明義務がある。

泣き寝入りはしない!介護区分変更時の対処法
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泣き寝入りはしない!介護区分変更時の対処法

それでも納得いかないときは、さらに図のような2つの手だてがある。都道府県の介護保険審査会への「不服申し立て」と市区町村への「区分変更申請」だ。前者は認定結果通知を受け取った翌日から60日以内に手続きが必要で、結果が出るまでの期限はなく、1~6カ月も要する。急ぐときは役立たない。

一方の区分変更申請は、本来は病状や心身状態の変化に即応した区分見直しを求めるものだが、認定の有効期間中ならいつでも申請可能で、再認定結果は30日以内と迅速で使い勝手がいい。手続きはケアマネジャーや地域包括支援センターへ相談しよう。

最後に1つ忠告を。区分認定は高ければいいわけではない。介護付き有料老人ホームやグループホーム、特養はじめ入所施設の利用料は、介護度に応じて高くなることをお忘れなく!