“アクセル”と“ブレーキ”を使い分ける

交感神経と副交感神経の割合が1対1で、両方とも高い場合が理想のケースであることに変わりありませんが、1対1.5の範囲に収まっているならば、何の問題もありません。交感神経、副交感神経のそれぞれの良さが出ると考えてください。

健康な人は、このバランスが微妙に変化しながら、1日を過ごします。

朝起きると、交感神経が優位に働き始め、そのことで日中は、心身が活発な活動をするのに適した体内環境となります。夕方以降は、副交感神経が若干優位な状態になりますので、心身が静かに休むのに適した体内環境をかたちづくります。

交感神経をアクセル、副交感神経をブレーキにたとえているのは、そうした理由からです。自動車もそうですが、どちらが大切ということはありません。ブレーキが効くからアクセルを踏めるわけですし、いくらブレーキが優れていても、アクセルがおかしければ前進しません。大切なのは、「高さ=機能の活性度」と「バランス」なのです。

「超こってりラーメン」だって食べていい

自律神経の専門家だからといって、私自身が健康管理を徹底できているかと聞かれれば、答えは「いいえ」です。人間ですから、過ちも犯します。

「これ、健康に良くないよなあ……」

と思いながら、背脂たっぷりの「超こってりラーメン」が無性に食べたくなり、有名店に並んで食べることもあります。

先日も、焼き肉店で7人前の肉を平らげてしまいましたし、昼からステーキ500グラムを一気に食べる、なんていう日もあります。

なるべく無駄な飲み会には参加しないように心がけていますが、つい深酒してしまう日もあります。

野菜も苦手で、最近まで食べられませんでした。

怒ると自律神経のバランスが崩れてしまうことがわかっていても、ちょっと前までは、スタッフに怒鳴ってばかりいました。

人生は反省の連続です。肉体や精神に悪いことに囲まれて生きている現代人は、反省するために生きているようなものかもしれませんね。