「お金欲しさ」で裸の画像を撮るわけではなかった

これには加害者側の「脅し」や「騙し」が存在していることは言うまでもない。未成年は収入がないことが普通なので、これを「お金」欲しさの行動であると想像される方もいるだろう。確かに、被害事例の中にはネット上で知り合っただけの男にストレートに「お金を払うから」と騙されて裸画像を送らされたケース、あるいは「好きなアーティストのチケットを譲ることができる」と言われ、言葉巧みに裸画像を送らされたケースなどもある。

筆者は思春期の子育てに悩む親からの相談を数多く受けている。その関連で、児童ポルノの被害にあった少女(少年)たちを取材していると、彼らが裸画像を送る本当の理由は「チケット」や「お金」欲しさではないように感じるのだ。

まず、彼ら少年少女の社会背景がある。

彼らはデジタルネイティブ世代で、自撮りしてインスタグラムなどSNSに自分の画像をアップロードすることへのためらいは小さい。

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さらに、思春期の彼らにとって「友だち」は何よりも大切なものであり、それはリアルであろうとネット上であろうと同じだ。異論を承知で言えば、むしろネット上の見知らぬ「友人」のほうが本音を語りやすいという特徴があるのだ。それゆえ、彼らは簡単に人を信用してしまう傾向がある。

SNSで女ともだちになりすまし少女を騙す手口

筆者が関わったケースとしては、典型的な被害の「入り口」はこのようなものだ。

ゲームアプリで親しくなり、お互い、何でも言える関係になった同い年の女友だちから相談が入る。「自分の体の悩みを相談したいの」。そのような理由で、まず、女友だちの側が自分の裸画像を送ってくる。そして、その女友だちは「私が秘密を送ったんだから、あなたも送って」と執拗に迫るのだ。

やがて「秘密の共有」ということになるが、その女友だちの正体はどこの誰かも分からない男性という結末。いわゆる“なりすまし”だ。正体を現した男が彼女を脅迫し始めるというパターンである。

近年、急増しているこの自分の裸画像を送ることによるトラブルには、次の3つの問題点が複雑に絡み合っていると思われる。

・嫌われたくない症候群
・性への興味と注目されたいという思春期独特の思考
・承認欲求

ひとつずつ説明してみよう。