応援したい気持ちだけでは、芸能界は生き残れない?

気になる記事がデイリー新潮(5月19日)に出ていた。

「芸能記者は言う。

『運営側を告発した度胸、そして事件以来、高まる発言力は、今後の彼女の強みとなるでしょうね。彼女がNGTのメンバーでなければ、指原のようになれた可能性も……。ただ、あの事件のおかげで、彼女が注目を浴びたのは紛れもない事実。話題性は十分ですから複数の芸能事務所が触手を伸ばしていると報じられたのでしょう』(中略)

業界関係者はどう見ているのか、聞いてみた。民放プロデューサーが言う。

『彼女を応援したい気持ちはわかります。しかし、それだけでは芸能界は生き残れません。まず、劇場の運営会社であるAKSは、彼女の所属事務所でもある。ああした形で袂を分かった以上、事務所を離れざるを得なかったわけですが、そんな彼女を引き受けるところがあるでしょうか。

AKSの設立メンバーの1人である秋元康さんは、すでに運営には携わっていないと、指原も擁護していましたが、AKSの松村匠取締役が"(秋元さんに)叱責されました"と会見で語ったように、今も厳然たる影響力を持つ実力者であることに変わりありません。当然、業界はAKSに対して忖度するでしょう。秋元さんが関わっているテレビ番組ってどのくらいあると思いますか。AKBグループの冠番組は無論ですが、オンエア中の番組だけでも、日テレではドラマ「あなたの番です」(原案・企画)、フジでは「ミライ☆モンスター」(企画協力)、テレ朝では「無料屋」(企画)、テレ東も「電脳トークTV~相内さん、青春しましょ!~」(企画・監修)、「青春高校3年C組」、他にノンクレジットで参加している番組もあります。普通に考えたら、これらの局はまず出せないでしょう』」

芸能事務所だって彼女には声を掛けませんよというのである。

これほど見事な戦い方を、たった一人でやったのか?

今時、そんなバカな話がと、私は思う。だが、安倍晋三首相に忖度して公文書を改ざんする役人までいた。秋元も安倍とは親しいと報じられていることを考えると、そういう人間がいることを全否定はできないのかもしれない。

幸い、山口の所属先は、こうした秋元やテレビ局に忖度するプロダクションではないところに決まったようだ。

彼女のこれからの前途が洋々たることを願うが、以前から不思議に思っていることがある。なぜ、山口は、今も天下の秋元の支配下にあるであろうAKSを向こうに回し、あれほどの戦いができたのだろう。

ツイッターなどのSNSを駆使すれば、今の時代、それほど難しいことはないと、ものしり顔でのたまう輩はいる。だが、事件を自ら公表して以来、次々と繰り出すつぶやきは、AKSの支配人の首をすげ替え、大人たちの保身しか考えないやり方をことごとく暴き、追い詰めていったのである。これほど見事な戦い方を、山口は一人でやってのけたのか?