公立校は学区によってレベルに差がある

公立校を選ぶにしても、悩みどころがあります。重要視されるのが学区です。公立校のなかにも私立校と同等レベルの学力の学校もありますが、学区によって学校のレベルにかなり差があり、同じ学力テストを受けても、優良な公立校ではパスする生徒が9割なのに対し、別の学区の公立校では4割というほど違いがあります。また、公立の中でも特にレベルの高いグラマー・スクールと呼ばれる進学校もありますが、数が少なく難関です。

良い公立校に通わせるため引っ越しする親も

石井理恵子『英国パブリック・スクールへようこそ!』(新紀元社)

英国在住で、公立にお子さんを通わせている方からこんな話を聞きました。

「日本人にはわかりづらいのですが、公立には中学、高校入試というものがまずありません(著者注:日本の公立中学・高校にあたるものはセカンダリー・スクールという11歳から7年間の学校。私立校は11歳で入学の学校もあるが、13歳の学校もあり、このタイミングの違いも考えなければならない)」

「学区内で選べるのは、いずれも受験のない普通の公立校か、カトリックスクールの二択しかありません。なので、いい学区に住まなければ評判の良い学校には入学できません。以前は家から学校に距離的に近かったり、兄弟が入れば特別に入れてもらえたりすることもありましたが、現在は人気の公立校はどこもいっぱいで、たとえば別の学区に転入したいと思っても空きがなければ待たされることがあるくらいなので、いい学校はその学区に住んでいなければ入れないというのが最近の風潮です」

住んでいる地域に入学を希望するようなレベルの公立校がない場合、入学年齢になる前に希望の学校がある学区に引っ越しを考える親は少なくないといわれています。公立校から大学進学を目指していればなおさらです。とはいえ、優良校のある学区は環境も良く、住居の価格も賃貸料もかなり高く、場合によっては良い公立校入学のため引っ越すよりは私立の学費のほうが安くつく場合もあります。

いずれにせよ、進学先選びはかなり悩ましいケースもあるのです。