【田原】ビジネスモデルを教えてください。mitsucariの検査は誰が受けて、どこからお金を取るのですか。

【表】2つのビジネスで運営しています。1つは、企業の人材採用時のテスト。採用したい企業側が自社の社員にテストを受けさせて、組織のカルチャーを調べます。ここまでは無料。そこから応募者にもテストを受けてもらって、そこでマッチ度を調べます。このときに検査代として1人につき800円をいただきます。もう1つが、人材紹介サービス。こちらは登録している個人のうち、クライアントの企業にマッチ度の高い人を紹介して、入社が決まれば紹介料をいただくモデルです。

【田原】採用試験でSPIなどの適性検査を受けさせる会社も多いですね。あれとはどう違うのですか。

【表】mitsucariはSPIよりもう少し簡易な適性検査と比較されることが多いのですが、いずれにしても従来の適性検査とは違います。たとえば従来の検査を田原さんが受けたら、「田原さんはこういう人だ」という答えが出てくるのですが、mitsucariは「○○銀行とは、これくらい合っている」「△△建設とは、これくらい合っている」というように、相手によって結論が変わります。

【田原】なるほど、従来のものは性格診断で、mitsucariは相性診断だ。テストは何分かかるのですか。

【表】72問で約10分です。最初は400~500問で回答に1時間かかるものをつくりましたが、それでは受けるのが大変なので、精度を担保したまま質問数を減らしていきました。

【田原】いまmitsucariを使っている会社はどれくらいありますか。

【表】現在、約1850社です。人数でいうと、延べで8万~9万人分。業種でというと、IT系がもっとも多くて約2割。あとはサービス業、人材教育系と続きます。

【田原】1850社が導入したのは、効果を実感したからなんでしょうね。

【表】そうですね。たとえば離職率が半分になったお客様もいるし、面接のプロセスが30分の1になって楽になったという声もいただいています。

【田原】これは新卒、中途、どちら向けですか。

【表】どちらでも使えます。お客様の数でいうと、現在は半々くらいです。

【田原】1つ聞きたい。入社時には合っていても、途中で価値観が変わって合わなくなることもありますよね。

【表】社員のほうが変わったり、会社側が成長してミッションを変更したりして変わることも多いです。ただ、途中で合わなくなって辞めるのは不幸なことではない。いまの会社にいたほうがいいのか、外に出たほうがいいのか。その判断をするための指標としてmitsucariを使ってもらえればいいと考えています。

【田原】いまいる社員が合っているかどうかわかるということは、採用だけでなく、既存社員の人事異動の参考にも使えますね。

【表】もうすでに適材適所の人材配置に利用されているお客様もいます。もともと自社の社員は無料で検査できますが、人材配置に使う場合は社内でアカウント管理費として別料金をいただいています。