「おっぱい」「うんこ」「おなら」連発は省内でも有名

福田淳一前財務事務次官のセクハラ報道をきっかけに、セクハラにまつわる議論がかまびすしい。福田氏は、「発言自体がセクハラ」という世論を受けて辞任に追い込まれたわけだが、多くの男性が「女性に対する発言について注意すればよい」と勘違いしつつあるのではないか、と心配している。

発言ばかりに焦点が偏り、議論が矮小化しては、本質的な問題は改善されないどころか、かえって悪化するだろう。私事で恐縮だが、記者になってちょうど30年たつ。私の限られた経験ではあるが、セクハラとはなにかを整理してみたい。

2018年4月18日、辞任を表明し、報道各社の取材に答える福田淳一財務事務次官(当時)(写真=時事通信フォト)

「週刊新潮」の報道からほどなく、テレビから福田氏の声が聞こえるようになった。私は「懐かしい! 相変わらずバカバカしいオッサン!」と爆笑した。15年ほど前、福田氏とはお酒の席をご一緒したことがある。酔いが回ってきたころ、福田氏は「これは仕事? 仕事じゃないよね? 仕事はしたくない」と突然つぶやいたかと思うと、それまでの口数の少ない様子から一変して、報道とほとんど同じトークを始めた。

福田氏の場合、実際に触るなどの動作をするわけでもない。私に対してもそうだったし、別の女性記者から聞いた話もそうである。だが、記者として興味のある話題には全く乗ってこない。女性だからバカにされているのか、と思い、私がとがめるようなことを言ったのだろう。福田氏は、「俺、高校も男ばっかりだったし、女とどう話したらいいかよくわからないままなんだよ。しかも小田原の暴走族にも入っていた」などと、いわゆる“バンカラ”ぶりをやや恥ずかしそうに説明していた記憶もある。

福田氏が「おっぱい」「うんこ」「おなら」という発言を連発するのは、省内でも有名だ。小学生の男子が面白がって言うのと変わらないのだろう。