世田谷区では直接ゴミを渡される
引っ越し先を探す時、その地域の「住みやすさ」をどう判断するだろうか。ひとつのおすすめは、その地域の「ゴミ捨て場」に目を向けてみることだ。
お笑いコンビ・マシンガンズの滝沢秀一さんは、ツイッターにこうした『ゴミ清掃員の日常』と題した投稿を繰り返している。マシンガンズは2000年代後半頃、高速のしゃべりで世への不満をぶちまけるスタイルの漫才で、ネタ番組に出演するようになった。だが家庭を持ちながらお笑い一本で食べていくのは難しいそうで、ツッコミ担当の滝沢さんは現在、都内のゴミ収集会社で正社員として働いている。
今回はそんな滝沢さんに、ゴミ清掃員の目から見た“住みやすい地域/住みにくい地域”について聞いた。滝沢さんは、ゴミ捨て場の様子を幾度となく見ることによって、以前はわからなかった各地域の特徴がわかるようになったと語る。
「世田谷区には『住みやすい』というイメージがありますが、ゴミ収集の仕事をしていても、それは確かです。世田谷区に行くと、そのタイミングで主婦とおぼしき女性の方々が家からわらわらと出てきて、ゴミを直接渡してくるんですよ。おそらく収集車の音を聞いて出てくるんだと思います。全般的に専業主婦が多いんでしょうね」
ゴミ収集所から住民が見える
「ゴミ収集車の音を気にして生活できるというのは、余裕がある証拠だと思います。ほかにも、災害時に使えるように土嚢が置いてある集積所なんかは自治体がちゃんとしているイメージです。主婦の方が集まっていて、ゴミ集積所もキレイなことが多いですね」
ゴミ集積所を見れば、自治体の姿勢や地元住人たちの結びつき、自治意識も透けて見えるというわけだ。では逆に、住みにくそうな場所もわかるのだろうか?
「住みにくそうな地域名を具体的に挙げるのは、さすがに勘弁してください。ただ、治安が悪そうな場所としてよく取り上げられるような地域は、やっぱりゴミ集積所が汚かったり、なんでもないところにゴミがいっぱい捨てられていたりすることは多いです」
特に顕著なのが、ゴミの出し方といったルールが守られているかどうか。ゴミの出し方ひとつをとっても、その地域の傾向があらわれるのだという。