高齢化率37%の町で年商16億円

店内が最も賑わうのは午前中。魚の干物やホルモンなど、地元の高齢者の嗜好に合わせた品揃えが目を引く。
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店内が最も賑わうのは午前中。魚の干物やホルモンなど、地元の高齢者の嗜好に合わせた品揃えが目を引く。

「カルチャーショックを受けました」とコープさっぽろ・あかびら店の澤崎裕さんは振り返る。08年10月、店長として出店準備のため赤平市に赴任してすぐ、町を歩いて驚いた。駅前の商店街は“シャッター通り”そのもの。日中なのに人影は少なく、子どもを連れた若い世代も見かけない。

「出店して大丈夫なのかと、正直思いましたね。翌年に開店してからも、お客様の6割方が60~70代で、しかも午前に集中する。前にいた札幌市内の店舗とはだいぶ違うなと思いました」

赤平市は札幌市から100キロメートルほど離れた山間の町。かつては炭鉱で賑わったが、閉山後は人口の減少が続き、現在の人口は1万3000人余り。65歳以上の高齢者比率も37%と高い。09年2月、そんな町にコープさっぽろは新店舗をオープンさせた。

開店後の実績は、4月度の来客数が約4万5000人、売上高は約1億2000万円。年商16億円の目標を10%ほど下回るペースだが、「滑り出しとしては悪くない数字」と、この地域を統括する旭川地区本部の本部長である横澤秀明さんは見る。新規の組合員も開店当初から1400人増えた。

実はコープさっぽろには、以前、赤平に小規模ながら店舗があった。しかし、1980年代から90年代にかけての拡大路線で一度、経営破綻に陥る。そして98年からの再建で、当時140店近くあった店舗のうち、約半数の不採算店を閉店。旧赤平店もその一つで、2002年に一度店を閉じた。

「しかし、いまも当時からの組合員が3500人ほどいるんです」と横澤さん。その組合員の便宜を図ることが、再出店の理由の一つでもあった。とはいえ、赤平市は小規模都市で、現状では人口の増加が期待できるような町ではない。この不況の最中、無謀とも思われる小都市への再進出には、どのような勝算があったのだろう。