なぜかいつも時間がない。そんな悩みを解決するには、時間を「なんとなく」使わないことです。「Lifehacking.jp」管理人の堀正岳さんは、「日々のルーティンで、何にどれだけ時間を使っているか細かく知ることがカギを握る」と説きます。たとえば自宅から最寄り駅まで徒歩で「何分何秒」になるか、把握できていますか――。(後編、全3回)

※以下は堀正岳『ライフハック大全 人生と仕事を変える小さな習慣250』(KADOKAWA)より抜粋、再構成したものです。

時間は分・秒まで正確に意識する

突然ですが、あなたは最寄りの駅まで歩くのにかかる時間をご存じですか?

堀正岳『ライフハック大全 人生と仕事を変える小さな習慣250』(KADOKAWA)

5分、15分といった、大雑把な時間ではありません。晴れた日に、無理のないスピードで歩いた際にかかる正確な時間を、分・秒に至るまで把握しているかという話です。雨の際にはどれだけ長くかかるでしょうか? 別の道を歩いた場合には?

たとえば私は車で通勤していますが、平均的な日には行きが28分、帰りは別の道を使ったほうが速いので平均24分だということを知っています。しかし、周囲の会社の退勤時間とかぶってしまう18時前だけは別です。17時40分までに移動を開始しなければ、帰り道の時間は混雑で平均5分増えてしまうのです。これは私が、自分の出勤・退勤を何百回も計測したことから知った経験則です。

時間を「なんとなく」使わない

上に挙げた通勤時間の測定の例は極端かもしれませんが、朝食の時間はいつも何時なのか。いつも入浴にどれだけの時間を使っているのか。会食をして帰る場合、何時くらいまで遅くなり、そのために次の日にどれだけ睡眠不足になるのか。これらはすべて意識して測ることができます。測定をすることで、私たちは時間をより細かく意識することができるのです。

ここでいきなり結論に飛びついて「それならば食事時間を5分節約しよう」「お風呂は手早く入ろう」などと考える必要はありません。時間を正確に測るのは、どこで時間を大雑把に使っているのかを把握するために行うからです。

これは、時間を1日の長さの物差しだと考えるとわかりやすいでしょう。時間を30分、1時間という単位でなんとなく使っていると、目盛りの数は多くても24~48個です。しかしもっと細かく時間を把握したなら、この目を細かくすることができます。時間は増えていないのに、意識の「時間分解能」を上げることができるのです。