そのような女性がもしも不機嫌になったとしたら、自分の状態や不機嫌の理由について、相手に説明することは難しくないでしょう。たとえ事情や感情が複雑なものであっても、少なくとも説明を試みようとはするはずです。
だからこそ、なぜ男性が不機嫌の理由を説明しないのかがわからないのでしょう。たとえ「別に不機嫌じゃねーよ」と言われても全然納得できないし、それどころか「説明しないのには何か理由があるのでは?」「もしや何か隠してる!?」というように、モヤモヤした気持ちがどんどん膨らんでいってしまう。この“負の勘繰り”が止まらなくなることも、男性の不機嫌が生む苦しみのひとつではないかと思われます。
それにしても、なぜ男性はすぐ不機嫌になるのでしょうか。ひと口に不機嫌と言っても様々な種類がありますし、その理由も人それぞれ異なるため、究極的にはケースバイケースとしか言えません。
しかし、男性に特有の「不機嫌になるポイント」は確かにあって、パッと思いつくだけでも……
・プライドが高いため、自分の誤りを認められず、とりあえず不機嫌になる
・コントロール欲求や「自分ルール」へのこだわりが強いため、思い通り進まないとイライラしてしまい、不機嫌になる
・一度に複数のことを考えるのが苦手なため、忙しくなるとすぐにテンパってしまい、不機嫌になる
・生理的ストレスへの耐性が弱いため、空腹や眠気を感じると他のことを考えられなくなり、不機嫌になる
などなど、いろいろ出てきます。今回はこのように、我々としても自戒を込めた回答で、段々気が重くなってきているのですが……目の前の相手とはまったく関係ないところに不機嫌の原因があることもしばしばで、複数の要素が絡み合って不機嫌が発生している場合も多々あります。
自分でも「わからない」不機嫌の理由
しかしそのような状態にある当の男性は、自分がなぜ不機嫌になっているか、その理由を具体的に把握できていないことが多い。なぜなら、我々男性は、自分の中にわき起こる感情を言葉にするのが苦手な傾向にあるからです。
先に「女性は自分の経験や感情を言語化することに長けている」と書きましたが、これに関しては圧倒的な男女差があると感じています。
我々は男性に恋バナを取材する機会も多いのですが、彼らはざっくりした事実関係を列挙するだけで、そのときに自分がどう感じたかを語ってくれることはほとんどありません。こちらから質問しても「よくわからない」「細かいことは忘れた」と言うだけです。我が身を振り返っても思い当たるところがあるのですが、感情を逐一言語化してきていないため、記憶として定着しないという側面もあるのではないかと思われます。