「幹細胞医療ビジネスのパーティーへ行きませんか?」。そんな誘いを受けて、コラムニストの辛酸なめ子さんが都内のホテルを訪ねると、日本では未認可という「1本200万円」の点滴を海外で打った人々が「若返り自慢」を繰り広げていた。ロシアの美人医師が解説した内容とは――。

受付は金髪美女「幹細胞パーティー」にお呼ばれ

先日、都内のホテルで不思議なイベントがある、とテレビ番組で共演したことのある男性の知人からお誘いがありました。何でも「幹細胞医療関係のパーティー」とのことで、素人ながらも興味を引かれて参加してみました。

写真はイメージです

受付に並んでいたのは、金髪白人の美女たち。会場のポスターには、このパーティーを主催している会社は日本やベトナム、シンガポール、タイ、マレーシア、ロシアなどでビジネスを展開している、とありました。

手渡されたプログラムには「10:30 宴会場のドアが開きます。ゲストは座席を取る」と、外国語からの直訳のようなシュールな文面が記載されていました。この会社が提供するのが「メディカルサービス」だと思うと一抹の不安を感じます。

▼自慢合戦「点滴1回で20〜30年若返った」

会場にいるお客さんは100人ほど。中高年の男女が中心です。会話の内容を察すると医療関係者が多いようで、いかにも富裕層っぽい雰囲気でテンション高めに語り合っていました。

「3本(点滴を)打ったらすごい若返りました」
「点滴1回で20〜30年若返りますよね」
「この会場は美人が多い! みんな若返ってるんでしょうね」

あまり自覚していませんでしたが、私も「若返り」というワードに弱いのでしょうか、思わず少し前のめりに。「STAP細胞」にアンチエイジングの望みを託せない今、幹細胞に賭けるしかないのか……。私を含む「幹細胞点滴」未経験者の目はキラキラ輝いていました。