レクサス八王子店では、朝礼の最後に必ず全員揃ってブランドステートメントを唱和する。その理由について責任者の高橋要氏はこう語る。
 「これまで車の販売は営業マン個人の仕事でした。しかし、レクサスにはチームレクサスという言葉がある。営業マンの個人技に頼るのでなく、店舗にいる全員が情報を共有してお客さまに対応します。唱和するのはチームの気持ちをひとつにするためです」

ブランドステートメントは全5カ条。

(1) 私たちは、最高の商品を最高の販売、サービスでお届けし「高級の本質」を追求し続けます。
(2) 私たちは、「時間の尊重」「1人ひとりへのおもてなし」「二律双生」「卓越した品質」の4つの手段で最高を実現します。
(3) 私たちは、お客さまがレクサスとともに過ごすいかなる瞬間も、「ときめき」と「やすらぎ」で心満たされることを約束します。
(4) 私たちは、常に「創造力」を発揮し、「自信」と「思いやり」をもって行動します。
(5) 私たち1人ひとりがレクサスです。

売る気満々には見えず、控えめな雰囲気の営業マンたち。皆、よく手入れされた靴を履いている。
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売る気満々には見えず、控えめな雰囲気の営業マンたち。皆、よく手入れされた靴を履いている。

一読して感じたのは、内容、体裁ともにリッツ・カールトンのクレド(信条、第1回の朝礼のヒントに登場)に似ていること。そして毎朝唱和するスタイルもそっくりだ。その点を高橋氏に尋ねたら、答えは次のようなものだった。

 「私たちはリッツ・カールトンへ行き、研修を受けました。きめの細かいサービスに触れ感銘を受けた。しかしそのまま真似しても、同じ水準のサービスにはならないとも感じました。ブランドステートメントを唱えるのは『考える』ためです。日々おもてなしとは何か、レクサスとは何かを考えています」
朝礼でスローガンを唱える企業は数多い。その場合、重要なのは大声で読むことではなく「何のために唱和するのか」を明確にしておくことだろう。