企業にできることは何でしょうか?
▼成果を「かけた時間」で割る制度を提案
働き方改革の本質は、時間当たりの生産性をいかに高めるかです。業務プロセスを簡素化すること、不要な仕事はやめることを、企業が仕組みとしてつくらなくてはなりません。ノー残業データイプの働き方改革だけでは、頓挫するのは目に見えていますね。
私が資生堂時代に考えた「働き方改革」のお話をしましょう。時間当たりの生産性を評価できるよう、人事制度を変える提案をしたのです。
目標管理制度で人事評価をしていますが、成果を出すうえで何時間働いたかは、まったく問わない評価制度です。これではむしろ長く働くほうが有利になってしまいます。だから、成果を「時間指標(労働時間)」で割ってはどうか(その人の実労働時間数÷所定労働時間数)と提案したのです。結局は反対されて、実現できませんでした。
印象に残っているのは、「仕事が集まり、長時間労働になりがちな優秀な人が不利になる」という反対意見。それは仕事の与え方の問題で、時間で割ることの問題ではないと思うのですが、要は既得権が奪われるからなんですね。いま残業している人は評価が下がり、短時間勤務をしている人の評価が上がってしまう。それに抵抗していたのです。
現状:成果のみを評価(どれだけ時間をかけてもいい。長く働くほど評価されることになる。)
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提案:成果/労働時間(生産性を上げて成果を出した人がきちんと評価されるように!)
(1)男女別の将来へのキャリア不安
新卒入社2年目~12年目までの社員に、「子どもを育てながら仕事を継続するにあたって、不安を感じることはありますか?」と質問。女性の9割以上が不安と回答した。
(2)具体的にはどのような不安がありますか? (女性のみ。複数回答)
育児と両立することで「職場に迷惑をかける」と考える人が多数。そのほか、キャリア不安を高める要因に、「キャリアの道筋がイメージできない」「転勤の可能性が高いこと」「仕事量が多いこと」などがあることも調査でわかった。
(3)管理職になりたいですか?
注目したいのは、「なりたい気持ちとなりたくない気持ちが混在している」女性が4人に1人もいること。「女性は100%自信がないと手を挙げないが、男性は60%できると思えば手を挙げる」(岩田会長)。
(4)管理職の人( 男女とも)に聞きました。責任の重い仕事を、男女どちらの部下に多く与える?
男性部下のほうに与えると答えた人が全体の30%超。「困難な仕事を男女どちらの部下に多く与えるか」への回答も、傾向はほぼ同じ。仕事を通して成長する機会が、男性に比べると女性は少ないという現実がある。