高給与ではないが、社員の評価が高い地方企業はこれだ
特徴的なのが愛知県だ。「給与」は豊田通商がトップ、「社員評価」はトヨタ自動車がトップで、いずれもトヨタグループが占めている。「トヨタ王国」は健在といえる。
ちなみに愛知県の労働者のボーナスを加えた2016年の平均年収は536万円(41.3歳、厚労省調査)。それに対して前出2社の40歳の推定年収は900万円前後(豊田通商が940万円、トヨタ自動車が865万円)とはるかに上回る。
一般的に年収が1000万円近くの企業の社員は、たとえ長時間労働など職場環境が多少悪くても自社評価(満足度)が高くなる傾向にある。
トヨタ自動車は年収の高さに加え、長期雇用を掲げた安定的な雇用制度をとり、さらに平均残業時間が29時間と少なく、有休消化率も82%となっている。社員の評価がトップクラスというのも当然だろう。
▼福島の東邦銀行は県内平均年収より200万多い
興味深いのは、全国的な水準でみれば高給とはいえないが、社員の評価が高い企業があることだ。たとえば、東北地区で最も社員評価の高い東邦銀行(福島県)の40歳の推定年収は652万円。東京の会社の中では「平均よりやや上」程度の水準である。
それなのに、なぜ社員評価が高いのか。その理由のひとつとして、地元の他の企業に比べて、相対的に給与が高いことがあげられる。
福島県のボーナスを加えた平均年収は411万円(42.5歳)。東邦銀行と比べると200万円以上も低い。福島県で東邦銀行に勤めるということは、県内平均よりはるかに高い水準の給与を得ることになるわけだ。