「外資系企業のダイバーシティは進んでいる」といわれるけれど、いったい今はどんなことが行われているのでしょうか。また、彼らの取り組みは日本企業にどのように影響を与えているのか、実際に取材してみました。
テレワークトライアルを実施したコニカミノルタ。(写真1)

ダイバーシティは2つの意味で新時代を迎えている。1つは今まで女性ばかりがクローズアップされてきたが、本来の「多様性」という意味の通り、外国人、障がい者、LGBTも含め、男女・既婚・未婚を問わず誰もが働きやすい環境をつくる方向に動いていること。もう1つは成果を求める傾向だ。単に多様な人材を集め、環境や制度を整えるのではなく、会社の成長につながるかが問われ始めているのである。

この分野の最先端を行くのは主に外資系企業だが、今一度、意義を捉え直そうとする日本企業もある。コニカミノルタグループの国内販売会社であるコニカミノルタジャパンもその一つだ。

同社は「ダイバーシティは経営戦略」と位置づけ、2015年5月から「ダイバーシティ推進プロジェクト」をスタートさせた。メンバーは、人事、教育、広報、営業推進など多岐にわたる。

リーダーの酒井之子さん(人事総務統括部教育研修部部長)はプロジェクトの経緯を語る。

コニカミノルタジャパン 人事総務統括部 教育研修部 部長 酒井之子さん

「私たちは多様な人材が価値を生み出すことができるよう、新しい働き方を提案する企業です。3年ほど前から働き方変革のプロジェクトが走っていて、より視野を広げたダイバーシティ推進プロジェクトが走り始めたのです」

ありたい姿を設定したうえで、重点課題の整理と分析を実施、実際のマネジメント変革と風土醸成のためワーク・ライフ・バランス研修を行うなどの活動をしてきたほか、場所にとらわれない働き方もダイバーシティを実現させるための要素として進化させてきた。従業員がテレワークトライアルを実施したほか、2015年に続き2016年も日本マイクロソフトの「働き方改革週間」に参加し、本社ビル26階のコワーキングスペース(写真1)を賛同企業に提供することで場所にとらわれない働き方を体験してもらった。