プレジデントオンラインでは、今回、総務省が発表した2016年(平成28年)の「地方公務員給与実態調査」に基づいて、自治体ごとの平均年収を推計した。対象は「一般行政職」で、諸手当(寒冷地手当を除く)を含む平均給与月額に、期末手当と勤勉手当を加えて算出した。なお、一般行政職とは、教育職や警官といった専門職ではない、いわゆる役所で勤務する公務員を指す言葉だ。
1位の東京都は716.5万円
第3回は、都道府県(47自治体)の「ランキング」をお届けする。このうち年収トップは東京都の716.5万円、年収ワーストは沖縄県の570.7万円だった。
過去のデータを同様に調査したところ、「東京トップ、沖縄ワースト」という状況は少なくとも4年間は変わっていない。実は沖縄県と東京都は、「諸手当」を除いた平均給与月額では全国ワースト1位・2位で競っており、基本給は大差がない。だが「諸手当」の平均月額は、東京都が13万5339円であるのに対し、沖縄県は5万5294円となっており、結果として年収に大きな差が生まれている。
なかでも、東京都職員の年収を跳ね上げているのは、「地域手当」の存在だ。地域手当とは、各地域の民間企業の賃金水準との調整を目指して支払われるもので、賃金水準・物価水準の高い地域ほど手当の支給額は増大する。諸手当内訳によれば、東京都一般行政職の地域手当の平均月額は6万4953円。同じ項目で2位になる神奈川県に、約2万5000円の差をつけている。
一方の沖縄県は、地域手当こそワースト1位ではないものの、その他の諸手当が全体に低めで、特に時間外勤務手当の平均月額は47都道府県で最少額となっている。これらの差が、2つの自治体の明暗を分けたといえるだろう。
なお、ランキングの右端には「ラスパイレス指数」を記した。これは国家公務員を100とした場合の、各自治体の給与水準を示すものだ。2012年以前は全国市区町村の平均値が100を上回り、地方が国より高い状態が続いていたが、東日本大震災の復興財源を目的に国からの給与削減要請があったことから、年々低下。都道府県については市区町村とは異なり、2016年は微増となり、全国平均では100.3と久々に100を超えている。