この話はまだ表では出回っていない。僕(橋下徹)が総力をあげて関係者に聞いた話を総合すると、一つの「真相」が浮かび上がってきた――。

大阪音楽大学への売却話破談で、さあ困った!

森友学園問題については、僕自身が大阪府知事をやっていたこともあって責任の一端は僕にもあるという思いから、僕なりに総力をあげて取材をしてみた。しかるべき責任者にきっちり話が聞けたし、何が問題なのか、それは行政組織のどこの問題なのか、政治行政をやってきたので、そこら辺のコメンテーターよりもはるかに真相を語れる自信がある。

以下の話はまだ表では出回っていない。僕が総力をあげて(笑)関係者に聞いた話を総合すると以下のような真相が浮かび上がってきた。近畿財務局のチョンボである。

問題となっている土地は、大阪音楽大学の隣接地で、大阪音楽大学は平成24年から国と売買交渉をした。土地は国土交通省大阪航空局の所管だが、売却手続きは近畿財務局が行う。

この土地は、関西国際空港が伊丹空港と統合され新しい会社になるときに、平成24年10月、関西国際空港の新会社に現物出資され、新会社の所有となった。近畿財務局は大阪音楽大学に売却できると思い、その代金を国のものにするため、いったん新会社所有となった当該土地を国所有に戻した(平成25年1月)。

ところが結局、大阪音楽大学への売却は交渉決裂となって破談した。こうなると、当該土地が国のものとして余ってしまうのである。民間だとそれの何が問題なの? と感じるだろう。しかし行政の世界では大問題なのである。

当該土地も含めて伊丹空港の騒音区域に指定された土地は国土交通省大阪航空局が管理することになっているが、騒音区域の縮小に伴い、大阪航空局は管理していた土地をどんどん売却処理していた。関西国際空港の新会社に現物出資することで、ついに大阪航空局は騒音区域として管理していた土地を全て処分できたのである。大阪航空局としては管理している土地を処分することが仕事のミッションだったので、平成24年10月にその仕事は完了した。

ところが、近畿財務局が大阪音楽大学に売れるかもしれないということで、関西国際空港新会社に移した土地を再び大阪航空局所管に戻したのである。そして近畿財務局は売却に失敗。

となると、せっかく全て処分できたと思っていた大阪航空局はまた土地を抱えることになってしまった。大阪航空局は平成24年10月の現物出資で全て土地管理は終了したとして担当部署を解散。そこに再び土地が戻ってきてしまったのである。

大阪航空局にとっては面倒なことになってしまい、近畿財務局に売却先をきちんと見つけるように迫っていた。近畿財務局は売却先を見つけるのに焦っていたという状況だったらしい。

ここまでの情報の信用度は5段階評価で3レベル。

そしてこのような状況の中、森友学園が近畿財務局に土地を買いたいと言ってきた。近畿財務局としてはラッキーである。何とか売却したいと一生懸命になる。

※本稿は、公式メールマガジン《橋下徹の「問題解決の授業」》vol.48(3月28日配信)からの引用です。もっと読みたい方は、メールマガジンで!!

(撮影=市来朋久)
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