数学嗜好 日本15歳は世界最低レベル

OECDの国際学力調査「PISA 2012」の個票データを加工して、15歳生徒の数学嗜好のレベルを測るスコアを計算し、国ごとに比較してみます。私が注目したのは、以下の設問への回答です。

数学への興味・関心、有用性の認識に関わる8つの項目を提示し、自分がどれほど当てはまるかを答えてもらっています。これらに対する回答を合成して、生徒の数学嗜好を測る単一の尺度(measure)を作ってみましょう。「1」という回答には4点、「2」には3点、「3」には2点、「4」には1点を与えます。

この場合、対象生徒の数学嗜好のレベルは、8点から32点までのスコアで計測されます。全部「1」を選んだバリバリの数学っ子は32点(4点×8=32点)、全部「4」の超数学嫌いは8点となる次第です。いずれかの項目に無回答がある生徒は、スコアの算定ができないので分析対象から外します。

さて、日本の生徒のスコア分布はどうなっているでしょう。図1は、日本の男子生徒(2159人)のスコア分布を折れ線で描いたグラフです。昨今の経済発展が著しいインドネシアと比べています。

日本は20点がピークですが、スコアが低い左側に多く分布しており、最低の8点という生徒も結構います。対してインドネシアは、24点に大きな山があり、高得点層が日本に比して多くなっています。25点以上の生徒の割合は、日本は17.9%ですが、インドネシアでは44.1%もいます。

さすがは、今後の経済発展が期待されている「アジアの寵児」ですね。おそらく、科学技術教育にも力を入れているのでしょう。上図の分布から数学嗜好スコアの平均点(average)を出すと、日本が19.3点、インドネシアが24.5点となります。