対談:リンダ・グラットンさん×チェンジウェーブ代表 佐々木裕子さん

自分が何歳まで生きるのか、考えたことがありますか? 寿命が100歳を超えることも珍しくない時代、未来を想像して不安ばかりが募った人は、ぜひリンダさんの言葉に耳を傾けてみてください。ロンドン・ビジネススクール在職中に出産した初めての教授である自身の経験も踏まえ、いまも未来も、充実して過ごすためのアドバイスがいっぱいです。
リンダ・グラットンさん

●リンダ・グラットン
ロンドン・ビジネススクール教授。人材論、組織論の世界的権威。2年に1度発表される世界で最も権威のある経営思想家ランキング「Thinkers50」では2003年以降、毎回ランキング入り。組織のイノベーションを促進する「Hot Spots Movement」の創始者であり、「働き方の未来コンソーシアム」を率いる。邦訳された『ワーク・シフト』『未来企業』などは20を超える言語に翻訳されている。在職中に出産した初めての教授で、2人の息子を持つ。
●佐々木裕子
チェンジウェーブ代表。東京大学法学部卒業後、日本銀行、マッキンゼーアンドカンパニーを経てチェンジウェーブを創立。変革実現のサポートと変革リーダー育成に携わる。傍ら、自らの出産と同時に、託児サービス事業を立ち上げ、現在、小規模認可保育所「こいくえん赤坂」を運営している。


【佐々木】著書『ライフ・シフト』の内容は、とても刺激的でした。働き方だけでなく、結婚や子育て、人間関係、時間の使い方などすべてが変わるという点には、私自身も考えさせられました。100歳まで生きる時代には、自分自身がまず変わらなくてはいけないんですね。日本でも、「仕事」と「リタイア後の余暇」という区分が崩れている点はすでに感じていて、何かを始めなくてはと考えている人は増えています。リンダさんご自身は、この100年ライフに気づかれてから、どのように自分を変えていらしたのでしょうか。

『ワーク・シフト』に続いて、『ライフ・シフト』を発表。

【グラットン】100年ライフでは、お金のような有形資産より、「3つの無形資産」が大事になると考えています。1つ目は生産性のための資産。私自身、60歳を過ぎたいまでも常に勉強していますし、ブログやツイッターで自分の評判をつくっていこうとしています。何歳になっても、コーチングをしてくれる人がいたほうがいいですね。

2つ目が活力資産です。健康的なライフスタイルを維持することと、ストレスを管理すること。私は食べ過ぎだし、飲み過ぎのところもありますが、ウオーキングをしています。

ストレスの管理は得意なんですよ。コツは、オン・オフを上手く切り替えることです。忙しくても時間をひねり出して、週に3、4回はシアターに行ったり、オペラに行ったり、友達に会ったりと、外に出かけるようにしています。夜8時まで仕事をすることはめったにない。

旅行もします。この2年でイランと北朝鮮、ルワンダにも行きました。心も体も健康な生活をするには、良い友達を持っていることも大切です。私にはつい先日、50年の友情をお祝いした友達がいるんです。

【佐々木】50年ですか! すばらしいですね。