相談を持ちかけるとき、企画を提案するとき、顧客との雑談――ビジネスの現場で欠かすことができないコトバでのやり取り。話し方一つで、説得力や信頼度はグンッとアップするのです! “話を聞く”立場の管理職たちに、よくある悩みをぶつけてみました。私たちに足りないのは、どんなこと?
【悩み相談】上司に相談すると、「あなたはどうしたいの?」と言われます ――35歳・マーケティング

熱意を持って、話していますか?

答えてくれる人:ポーラ 訪販企画担当執行役員兼顧客戦略部長 神谷知子さん

「部下から何か相談を受けるときに、上司として一番困るのは、全く自分の考えを持たずに来る人です」

そう話すのは、執行役員の神谷知子さん。現場からあがる無数の案件に対して、判断やアドバイスを求められる毎日。部下には常に、話のなかに「自分はどう思っていて、どうしたいか」を入れることを求める。

「『今こういう状況で私はこういう対応をしました。私はこう思ってこうしたいと考えていますが、これでよろしいでしょうか』という話し方ができる人には、安心して仕事を任せられます」

座右の銘:塞翁(さいおう)が馬●よいことがあってもこれで十分だと油断しないこと。悪いことが起きてもあきらめず努力していれば道は必ず開ける。なりゆきにまかせない生き方をしたい。

どんな仕事も「よりよくしたい」という思いがなければうまくいかない。それは立場や役職にかかわらず、仕事人が持つべき心得。みんなをまとめる立場になって、強く感じるように。

「決めてくれれば言われたとおりにします、というニュアンスが入った投げやりな言葉は、聞いていてすぐにわかります(笑)。責任を負わせないでください、ということなのかもしれませんが、やらされ仕事からやりがいは生まれないですよね」

反対に“やりたい”という気持ちがあれば、それは確実に話し方に表れる。

「個人の性格もありますし、必要以上に熱くなる必要もないのですが、どうしてもやりたいと思えば、自然と言葉にも熱が入るものです。本人以上に、聞いているほうには伝わるんですよ」

たとえそのまま実現するのが難しい内容でも、本当にその人がやりたがっているとわかれば、「こういう方法もあるのでは?」とゴールを変えずに別の手段を提示することも。

「裏を返せば、熱意を持って仕事に取り組んでほしいということ。私自身もそうありたいと、常々思っています」

さらに「頭のいい人ほどいやがりますが」と前置きして語る。

「またかと思われたくなくてできない人も多いですが、自分のしたいことを何度も繰り返し言い続けることは大事です。伝えたい趣旨を変えずに、毎回違うエピソードや事例を入れて話すと重複感は薄れますし、話の軸は変わらないので、印象に残りやすいですよ」

神谷知子
ポーラ 訪販企画担当執行役員兼顧客戦略部長。1967年生まれ。91年入社後、商品企画部でスキンケアや健康食品などの開発に携わる。2011年より千葉エリアマネージャーに。総勢1000人超の販売組織のトップとして販売戦略から実績までを担う。16年1月より現職。