「明らかに父親が違う」「腹上死」……ナースが目撃した修羅場

人間の最も弱い姿や修羅場を目撃している白衣の天使、ナース。強さと美しさを併せ持つ彼女たちに話を聞く機会があったのですが、衝撃的だったエピソードをピックアップしてみます。

まず、人の出生にまつわる事件では、生まれてきたお子さんが明らかに父親が違うケースがあるそうです。以前、日本人同士なのに黒人ハーフの子どもが生まれたことがあったとか。病室の空気がフリーズしたことでしょう。本人が気付かないうちに妊娠している、というハプニングもあり、妊娠疑惑の中学生女子の付き添いで来たお母さんが、そういえばお腹が痛いのでついでに診てもらったら、浮気相手の子が宿っていたとか。Wおめでたというか、娘に何も言えなくなります。

浮気関係のスリリングな場面も病院ではよくあるそうです。愛人と本妻がはち合わせ、男性の病室で無言で対峙していたり……。また、救命救急センターに腹上死で運ばれてきた人がいて、奥さんが病院に来たら愛人との行為の最中だったと知り、それ以来病院には来なくなって結局愛人が看取った話も。腹上死は『失楽園』(渡辺淳一)でも美化されていて、男の夢の死に方とされていましたが、実際発生すると後が修羅場です。

ちなみに、その男性は社会的地位が高い老紳士とかではなく、どこにでもいる中年太りの50代男性とのことでした。実は身近な危険なのかもしれません。腹上死とともに都市伝説の一端で双璧をなしている膣痙攣も、ごくまれに運ばれてくる人がいるそうです。救命救急センターで見た人によると、本当に合体した状態で、とても恥ずかしそうだったとか。

一方で、症例が多いため実はそんなに恥ずかしくないのかもしれないのが、異物挿入。カップルがプレーでにんじんを入れたら抜けなくなったとか、お野菜全般で発生しうる事例です。翌日焦ってカップルで来院するそうですが、意外とピシッとした格好の、社会的にちゃんとした大人の男女だったりするとのこと。知的レベルが高い人こそ、性的好奇心も旺盛なのでしょうか。ナースにとっては「あーまた来たんだ、あるある」くらいの感覚らしいです。

数々の修羅場や人間の生死、キツい夜勤、変人キャラの医者、厳しい師長、ワガママな患者への対応をくぐり抜けたナースは、どんどんタフになっていきます。ストレス解消に、買い物しまくったり飲酒・喫煙したり「飲む」「打つ」「買う」がはけ口になっているナースも少なくありません。よく男の夢で、ナースと付き合ったら優しく看病してくれるんじゃないか、という期待がありますが、それは仕事モードのときだけで、実際はクールだそうです。「自己管理が悪いのよ」と突き放したり……。そんなギャップもまた魅力です。一筋縄ではいかないナースの彼女に振り回されたストレスで、男性が本当に病気になったら、また愛情をかけてもらえるという病の連鎖が……。ナースの魔性にはまったら抜けられません。