英語を聞くと単語のスペルがイメージできる

横山美里・ピアニスト

【三宅義和・イーオン社長】本日は、プロのピアニストとして、ソロ、または室内楽奏者として幅広い演奏活動を行っている横山美里さんをお招きしました。実は、横山さんは私のピアノの先生です。

【横山美里・ピアニスト】よろしくお願いします。

【三宅】毎回、レッスンを受けるたびに新たな感動があります。私が課題曲を弾いて、横山さんに代わると、まったく違う旋律が流れるのです。それは感動というか、ある種、至福の瞬間です。一番近くでプロの演奏を聴くことができるわけですから。先日も、横山さんの出身地・帯広での素晴らしい演奏会をお聴きしました。会場は満員で、ショパンとラフマニノフを圧倒的な迫力と繊細な演奏で、聴衆を魅了してくれました。

【横山】こちらこそ、遠路はるばるお越しいただき感謝申し上げます。

【三宅】横山さんとピアノとの出合いはいつ頃で、ピアノを始めるきっかけはどういったことだったのでしょうか。

【横山】私が2歳のときに、私の父が気まぐれでグランドピアノを買ってきました。北海道の田舎だったので、何とか家に置くことはできたのですが、母と大変な夫婦ゲンカになったと聞いています(笑)。ですから、物心ついたときには家にピアノがありました。最初は登ったりして遊んでいたように記憶しています。

【三宅】最初からグランドピアノですか。すごいですね。

【横山】でも、ピアノが自分には向いていたのでしょうね。気がついた頃には楽譜を見て、音符とピアノの鍵盤が頭の中でつながったというんでしょうか、自然に曲を弾くことができました。ピアノの先生について習い出したのは4歳の頃です。

【三宅】プロの音楽家を目指そうと思われたのはいつ頃からでしょうか。

【横山】音楽の大学に進もうと決めたのは高校2年生ぐらいです。

【三宅】当然、海外での演奏活動も視野に入れていたのでしょうね。そうすると、英語力も必要になります。英語との出合いは何歳でしたか。

【横山】たぶん、小学校2年生です。帯広にある浦島久先生の「ジョイ・イングリッシュ・アカデミー」に通いました。そこが、新しく小学生のクラスをスタートするという広告が出ていたのです。私はわりと珍しいもの好きでしたから、行ってみようと。たまたま、学校の通学路の途中に教室があったものですから、母に頼んで通いました。

いま振り返ってみると、ジョイでは会話だけでなく、読み書きと文法をしっかりと習っているんです。そこで基本がきちんと身につきましたから、英語を聞くと、単語のスペルがイメージできます。聴覚と視覚で学んだことがよかったんでしょうね。これが、のちのイギリス留学の際にも生きました。

【三宅】それは本当に大切なことで、小学校のときに、読み書きの基礎ができたというのは大きいです。おそらく、留学体験や海外の音楽家との交流を経て、さらに流暢な英語になったわけですね。

【横山】それは褒めすぎですけど(笑)。