バラを見ながら愛犬に看取られた母
7月31日の都知事選で、無所属の小池百合子氏が約291万票という歴代4番目に多い得票数で当選した。初当選時の得票数では歴代2番目の多さだという。今後は、開幕まで4年を切った東京五輪の開催準備のほか、選挙公約の実現に向けて、具体的な政策や調整力、リーダーシップが試されることになる。
選挙時から小池氏は、「女性も、男性も、子どもも、シニアも、障がい者もいきいき生活できる、活躍できる都市・東京」として、9つのミッションを発表している。なかでもプレジデント編集部が注目したいのは、「介護」に関することだ。公約には、「あらゆる都内遊休空間を利用し、保育施設、介護施設不足を解消。同時に、待遇改善等により保育人材、介護人材を確保する」とある。選挙時の街頭演説では、介護への思いを次のように語っている。
「私も3年前、肺がんの母を自宅で看取りました。母が『私の好きなすき焼きは病院では出てこない』と言ったからです。母は、大好きだったタバコを一服して、庭のバラを見ながら旅立ちました。これからは、私のように自宅で最期の看取りをする人が増えてくるでしょう。そういった人たちをバックアップするためにも、在宅ケアシステム、地域包括ケアシステムを整えていく必要があります」
自身も母親の介護を経験しているのだ。それでは、『自宅で親を看取る肺がんの母は一服くゆらせ旅立った』(幻冬舎)と『発電する家「エコだハウス」入門』(プレジデント社)、さらには選挙時の発言と直接のインタビューでの発言から、小池氏が経験した「介護」について見ていこう。