会話するように奏でる、ピュアな音楽に惹かれる

デビューした当初はフルート、トランペットなども混じえた大所帯のバンドでフジロックに出演したりもしていたが、最近はピアノとデュオ、尺八とデュオ、といった編成でコンサートを開くことが多い。

「マリンバと尺八、マリンバとピアノ。そんなふうにマリンバと何か、という楽器はこんなに合う、というシンプルな音の組み合わせのほうが、楽器の良さが伝わるんです。マリンバの一番ピュアなところを聴いてもらえる。自由になれるんです。仕事に例えると、3人だと打ち合わせが必要だけど、2人だと会話で成り立つでしょう? そんな感じですね」

そんな会話を楽しむようなコンサート、尺八演奏家の藤原道山さんとのデュオ「藤原道山×SINSKE~尺八とマリンバによる世界最小オーケストラ~」は、今年でツアー開始から5周年を迎える。昨年の東京・浜離宮ホールでの公演も完売するほどの人気で、今年は海外での公演も計画している。

「今年は僕のライフワークとも言える道山さんとのコンサートを中心に作曲にも打ち込みたい。道山さんとは、尺八とマリンバで“気”の通じ合いにも近い音を追究しています」