リスニング力とコミュニケーション能力の向上は予想以上!

今回留学した成果は、「リスニング力のアップとコミュニケーション能力の向上に集約できる」と、伊藤さんは話す。実は、出発前にはフィリピン留学生活をこんなにエンジョイできるとは思っていなかった。「この年齢(39歳)ですし、きっと若い生徒さんには溶け込めない。英語も話せないから、現地の人とのコミュニケーションも難しいし、友達はできないはず。私は業務で行くのだから、勉学に専念して、週末は寮で勉強していようと、日本から大量に参考書を持ち込みました。量ってみたら12キロもあったんですよ(笑)」

天然素材で作られたフィリピンのかごバッグは、世界的にも人気が高い。プチプライスのショッピングもフィリピン留学生活の楽しみのひとつだ。

けれどもこの予想は、いい意味で裏切られた。2週目を過ぎたあたりから、リスニングの力がついて相手の話が分かり、英語で会話できるようになると、韓国や台湾からの留学生とコミュニケーションが生まれた。

英語でコミュニケーションを取れるようになると、それが自信につながったのか、なぜか日本人とのコミュニケーションまで楽しくなるという、自分でもびっくりするような結果につながった。「20代の男の子、初対面の同世代の女性、40代の韓国人男性というグループでビーチリゾートへ週末トリップに出かけるなんて、日本にいたら想像もつかないシチュエーションです」。日本では出会えなかった異なる世代・業種の留学仲間とは、帰国後も交流が続いている。

4週間のセブ島短期留学+カランメソッドで、リスニング力とコミュニケーション能力に自信が持てるまでになった伊藤さん。広がった人脈と英語力を生かして、現在は次に活躍するステージを模索しているという。

次回は「QQ イングリッシュ」シーフロント校に4週間留学した、山本紀子さん(仮名)の例を紹介する。

江藤詩文/旅する文筆家
年間150日ほど海外に滞在し、その土地に根ざしたフードカルチャーをメインに、独自の視点からやわからな語り口で綴られる紀行文を雑誌やウェブサイトに寄稿。これまで訪ずれた国は50カ国ほど。女性を中心とした地元の人たちとの交流から生まれる“ものがたり”のあるレポートに定評がある。旅と食にまつわる本のコレクターでもある。現在、朝日新聞デジタル&Wで「世界美食紀行」、産経ニュースほかで「江藤詩文の世界鉄道旅」を連載中。著書に電子書籍『ほろ酔い鉄子の世界鉄道~乗っ旅、食べ旅~』シリーズ全3巻(小学館)。
【世界美食紀行】http://www.asahi.com/and_w/sekaibisyoku_list.html
【江藤詩文の世界鉄道旅】http://www.sankei.com/premium/topics/premium-27164-t1.html

撮影=江藤詩文