源泉徴収票を使って確定申告すれば税金が戻る可能性も

源泉徴収票には控除の内訳が記載されていますが、実は、ここに載っている以外にも、控除にはさまざまな種類があります。たとえば、医療費を10万円以上使ったら「医療費控除」、火事や盗難の被害にあったら「雑損控除」が受けられる、といったぐあいです。あてはまる人は、確定申告をすれば所得税が戻ってくるし、今年6月から支払う住民税も安くなるので、面倒がらずにぜひ申告しましょう。詳しいことは、このコーナーでまた紹介する予定です。

確定申告をするときは、源泉徴収票が必須です。源泉徴収票を手元に置いて、確定申告書の該当欄を埋めていけば、思ったよりずっと簡単。なお、確定申告の際は源泉徴収票そのものを提出しなくてはなりません。

今年から源泉徴収票が大きく変わる

長年、親しまれてきた(?)A6版・手のひらサイズの源泉徴収票ですが、2016年分から2倍サイズのA5版に変更されることが決まっています。

それは、マイナンバー制度がスタートしたから。新しい源泉徴収票には、本人と扶養家族、さらに会社のマイナンバーを記載する欄が新設されます。近いうちに、勤務先から「届いたマイナンバーを教えてください」という要請があるでしょう。

もっとも、源泉徴収票の基本部分はこれまで通り、変わりません。新しい制度に戸惑わないためにも、今回で最後の小さな源泉徴収票を取り出してみて、税金のしくみを頭に入れてほしいと思います。

マネージャーナリスト 有山典子(ありやま・みちこ)
証券系シンクタンク勤務後、専業主婦を経て出版社に再就職。ビジネス書籍や経済誌の編集に携わる。マネー誌「マネープラス」「マネージャパン」編集長を経て独立、フリーでビジネス誌や単行本の編集・執筆を行っている。ファイナンシャルプランナーの資格も持つ。